Project/Area Number |
22K06641
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
山口 太郎 摂南大学, 薬学部, 講師 (30710701)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | エクソソーム / 内耳 / バイオマーカー / 難聴 |
Outline of Research at the Start |
現状、有効な難聴の治療法は存在しない。その要因として、既存の聴覚機能検査法では内耳蝸牛内の環境変化を詳細に捉えられず、患者個々の状態に合わせた治療薬を選択できないことが挙げられる。適切な治療薬の選択のためには、バイオマーカーの開発が有力な戦略となる。本研究では、エクソソームを利用した難聴バイオマーカー開発の基盤を構築することを目的として研究を遂行し、難聴予防治療法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
現状、有効な難聴の治療法は存在しない。その要因として、既存の聴覚機能検査法では内耳蝸牛内の環境変化を詳細に捉えられず、患者個々の状態に合わせた治療薬を選択できないことが挙げられる。適切な治療薬の選択のためには、バイオマーカーの開発が有力な戦略となる。本研究では、エクソソームを利用した難聴バイオマーカー開発の基盤を構築することを目的とする。これまでに研究成果を得た。 ①マウス培養蝸牛へのアミノグリコシド系抗生物質(有毛細胞傷害誘導薬、ネオマイシン)曝露後の培養上清からエクソソームマーカーであるテトラスパニン類(CD81、CD63、CD9)の発現をELISA法により確認した。②Nanosightを用いた動的光散乱法により50-150 nmの小胞が多数存在することを確認した。③ネオマイシン曝露および非曝露群から得られた培養上清を超遠心分離して回収したエクソソームは、共通して約110 nmのエクソソームが得られ、有毛細胞が障害されたネオマイシン曝露群のみにおいて約60 nmのエクソソームが多数存在することを確認した。 これらから、有毛細胞障害時において特異的なエクソソームが蝸牛中に放出されることが示唆される。今後、エクソソームレポーターマウスを用いて、蝸牛障害時におけるエクソソームについて詳細に解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、蝸牛有毛細胞傷害時の特異的エクソソームを放出する細胞を同定し、細胞特異的エクソソームレポーターマウスを作製することを1つの目的としていたが、レポーターマウスの作製者都合により譲渡を受けられていない状況にあるため、予定の実験が行えず進捗が遅れている。しかし、数ヶ月以内には我々の研究室への譲渡が行える見通しとなったため、譲渡を受けた際に円滑に実験が開始できるように、準備を整えておく。
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Strategy for Future Research Activity |
蝸牛由来エクソソームを他組織由来エクソソームと区別するために、エクソソーム放出細胞を同定し、エクソソーム放出細胞特異的に蛍光標識するレポーターマウスを作製する。上記マウスを用いて、マウスの頸部静脈より血液を採取し、培養蝸牛同様、超遠心分離によりエクソソームの回収を試みる。夾雑物等により、解析に支障がある場合は、血液検体からのエクソソームの実績が豊富であるキットを用いる。 これまでに得られた実績から、蝸牛障害時において得られたエクソソームに内包されるRNAやタンパク質の網羅的解析を進めることで、蝸牛障害時に放出されるエクソソームの生理的な意義の解析を進める予定である。
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