Project/Area Number |
22K06645
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
土屋 浩一郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (70301314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 正樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 助教 (00734344)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 亜硝酸塩 / 活性酸素 / 酸化ストレス / 亜硝酸 / 活性酸素種 |
Outline of Research at the Start |
硝酸イオンは土壌を含む自然界に広く分布しており、植物や微生物等には重要な窒素源となっている一方、ヒトにとって不要な物質と考えられており、またこれらがヒトの健康に悪影響を与えることが示唆されて以来、それらを多く含む葉物野菜や根菜類の摂取が控えられる風潮があった。一方で硝酸イオンは体内で亜硝酸イオンに還元されることから我々は野菜の摂取を通じて日常的に硝酸・亜硝酸イオンを摂取している。本研究では、これまで申請者は体内での亜硝酸イオンの生理的意義を検討してきたが、本研究では亜硝酸イオンの新たな生理的役割の解明を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで予備実験として、亜硝酸塩を生体内で生成する酸化力の高い物質であるヒドロキシラジカルと接触させると、ヒドロキシラジカルを濃度依存的に消去することを見いだしていた。そこで、2022年度は、培養細胞を用い、この反応によるヒドロキシルラジカルからの亜硝酸塩による死亡保護作用をより詳細に検討することとした。 マウスマクロファージ由来RAW264.7細胞を用い、培地を過酸化水素を加えたPBSに交換し、さらに365nmの紫外線を照射することでヒドロキシルラジカルを発生させた条件下で細胞生存率をMTTアッセイで検討したところ、亜硝酸塩による細胞保護作用が見られなかった。 しかし実験に用いたPBSをキレート剤を用いて遷移金属を十分に除去した上で同様の検討を行ったところ、300μM過酸化水素単独では細胞障害は起きず、UV照射により障害が惹起され、これは亜硝酸塩の共存でコントロールレベルまで回復することを確認した。 この結果より、これまでの実験で結果が一定しなかったのは、培養細胞実験に用いた培地に含まれる遷移金属が、過酸化水素由来の活性酸素種生成に影響を与えていたことが示唆された。 実験系が確立したことで、次の検討項目として、ヒドロキシルラジカルにより、RAW264.7細胞で起きている細胞傷害について、細胞老化のマーカーであるp-γ-H2AXとp21の発現について検討したところ、ともに時間依存的な発現の増加が見いだされた。現在、これら老化マーカーに対する亜硝酸塩の効果を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画期間中に4点(1.硝酸塩の抗酸化剤としての作用をin vitroで検証、2.種々の酸化ストレスに対する亜硝酸塩の防御作用の評価、3.炎症を惹起した実験動物を用いて亜硝酸塩の抗炎症作用の評価を行う、4.培養細胞実験、動物実験において亜硝酸による炎症/抗炎症関連遺伝子の発現と変動を評価)について実施する事にしていたが、これらのうち1.は予備実験にて実施、2.と4.の一部を2022年度に実施出来た。 特に2022年度は、これまで亜硝酸の抗酸化作用を検証する上で問題となっていた『実験結果が一定しない』理由についてその原因を明らかに出来たことは、今後の研究を進める上で、重要な進歩であった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間中に実施する4点のうち、2点(3.炎症を惹起した実験動物を用いて亜硝酸塩の抗炎症作用の評価を行う、4.培養細胞実験、動物実験において亜硝酸による炎症/抗炎症関連遺伝子の発現と変動を評価)を重点的に実施する。 3.については、細胞老化のマーカーであるp-γ-H2AXとp21の発現に対する亜硝酸塩の効果を検討する。また、全身炎症状態の実験動物モデルを作成し、亜硝酸塩による保護作用について検討を行う。
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