Project/Area Number |
22K06652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
呉林 なごみ 順天堂大学, 医学部, 客員准教授 (50133335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 良典 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (10937684)
小川 治夫 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40292726)
杉原 匡美 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80648163)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 2型リアノジン受容体 / 不整脈 / 抗不整脈薬 / カルシウム / 機能抑制型変異 / 心筋 / 創薬 |
Outline of Research at the Start |
心室性不整脈は生命を脅かす重篤な疾患で、カテコラミン誘発性多型性心室頻拍などの遺伝性疾患に加え、慢性心不全においても起こり易い。これらの不整脈に対する既存の治療薬は効果が不十分な事があり、副作用が強いという問題点もあるため、より良い抗不整脈薬が求められる。本計画では、心筋筋小胞体Ca遊離チャネルであるRyR2に着目し、薬物構造展開と、クライオ電子顕微鏡によるRyR2-薬物複合体構造の解析により、RyR2特異的阻害薬および活性化薬を最適化し、マウスモデルを用いて、開発したRyR2作用薬による不整脈の薬物治療法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2型リアノジン受容体(RyR2)の疾患変異には機能亢進型と機能喪失型があり、どちらも不整脈を惹起するが、元となる原因が正反対であるため両者の治療法は異なると考えられる。論理的には、機能亢進型にはRyR2阻害薬が、機能喪失型にはRyR2活性化薬が治療薬となると考えられるが、そのような薬は存在しないため、まだ実証されていない。この仮説を検証するため、我々は下記の計画を立てた。すなわち(1)まず、RyR2阻害薬および活性化薬の元となるシーズ化合物を見出し(2)シーズ化合物の構造展開により、さらに親和性の高い化合物を開発する(3)そして、実際に変異RyR2を発現する細胞を用い、その効果を検証した後(4)不整脈を発症するRyR2変異モデルマウスを導入して開発した化合物の抗不整脈効果を検証する、という計画である。 (1)RyR2阻害薬については、RyR2およびER Caセンサー蛋白発現細胞を用いたハイスループットスクリーニングにより、約10種類のRyR2阻害薬および活性化薬シーズを見出した。(2)5種類のシーズ化合物の構造展開を行い、1種類の高親和性RyR2特異的阻害化合物、およびいくつかの中程度のRyR2特異的阻害剤を見いだした。また、活性化薬もシーズから構造展開を行っているところである。(3)構造展開より開発されたRyR2特異的阻害剤の効果検証については、培養細胞を用いた実験で特異性を確認し、(4)実際に機能亢進型RyR2変異モデルマウスにおける不整脈に対し、明らかな強い不整脈抑制効果を示すことが確認できた。これらの研究成果について、4報の論文報告を行った
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主題である、RyR2阻害薬および活性化薬のうち、RyR2阻害薬については、非常に順調に進捗している。すなわち、高親和性のRyR2阻害薬を開発でき、実際の不整脈モデルマウスの不整脈に強い抑制効果を示すことが分かってきた。この化合物は、現在のところ、心臓の他のイオンチャネルや受容体に対し非特異的効果がみられないので、RyR2阻害が抗不整脈効果を持つことが証明できそうである。 一方、RyR2活性化薬の方は、まだ構造展開中である。またこれを検証するための細胞系は出来たが、マウスはまだ作製できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
RyR2阻害薬に関しては、論文報告を進める。 RyR2活性化薬に関しては、モデルマウスの準備を進めると共に、iPS心筋細胞における検証を検討する。
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