独自PTSDモデル動物を基盤とした新規治療薬と発症予測バイオマーカーの開発
Project/Area Number |
22K06655
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
間宮 隆吉 名城大学, 薬学部, 准教授 (70340297)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ストレス / 動物モデル / 心的外傷後ストレス障害 / 治療薬 / バイオマーカー |
Outline of Research at the Start |
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、治療も予防も困難な精神疾患である。また、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が第一選択薬として処方されているが、詳細な作用点/機序は不明である。本研究では、①PTSDマウスモデルを用いて、海馬/扁桃体セロトニン受容体の機能や役割を解析し、選択的リガンドの治療薬としての可能性を見出す。さらに、②この動物モデルを用いて、発症予測バイオマーカーとして有効性を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、独自に開発してきた心的外傷後ストレス障害(PTSD)モデルマウスについて、病態を神経科学的に解析し、新規候補化合物の薬効評価を開始した。 雌性前脳特異的コレシストキニン2受容体過剰発現マウス(4週齢)に対し、コミュニケーションボックス法を用いて、心理的ストレスをトラウマとして負荷した。その後ホームケージに戻し、3週間通常飼育した。7週齢時から主に認知機能を行動学的に評価したところ、恐怖条件付け試験で観察されるすくみ行動(freezing behaviors)が強く、PTSD様症状が認められた。8週齢時からセロトニン再取り込み阻害薬のパロキセチンを4週間経口投与すると、この症状が緩解されたが、溶媒投与群ではすくみ行動の亢進が持続していた。また、トラウマを負荷する前の海馬体積をMRI画像により比較検討したところ、両群間で差は認められなかったが、8週齢でPTSD様症状を示したマウスの海馬の体積は、正常(野生型)マウスと比べ減少していた。また、セロトニン受容体関連化合物に加え、カンナビノイド受容体関連化合物の作用についても検討を開始した。また、本研究に付随した成果について、特許申請を行うことができた。 一方、予備実験ではあるが、認知症モデルマウスで前脳のコレシストキニン量が正常マウスと比べて、減少している傾向を見出した。次年度は、本試験として進めるとともに、前脳コレシストキニンが、記憶機能(レベル)の指標となりうるか解析し、PTSDや認知症のバイオマーカーとしての可能性を評価したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PTSDモデルマウスに対する新規化合物の評価を始めている。PTSD治療薬のパロキセチンはこのモデルに対して有効性を示したが、セロトニン受容体関連化合物については期待した効果を見い出せなかった。そこで、機序の異なるカンナビノイド神経に着目し、カンナビノイド受容体関連化合物の作用についても検討を開始した。 一方、PTSD発症のバイオマーカー探索を開始した。予備検討であるが、認知機能障害モデルにおいて脳内コレシストキニンレベルが低下している可能性を見出した。次年度に続けていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
新規PTSD治療薬あるいは予防薬の開発に向けて、カンナビノイド受容体関連化合物の効果を検証していきたい。また、コレシストキニンが記憶障害だけでなく、PTSD発症のバイオマーカーとなりうるか、げっ歯類だけでなくヒト検体を用いて解析を進めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)