Project/Area Number |
22K06667
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47050:Environmental and natural pharmaceutical resources-related
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
田中 宏幸 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 教授 (30253470)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | イムノアッセイ / 機能性多糖 / ブクリョウ / タイソウ / モノクローナル抗体 |
Outline of Research at the Start |
タイソウおよびブクリョウは、補体活性化作用、がん細胞増殖抑制作用や抗炎症作用等を有する様々な多糖を含み、これらは重要な指標成分と考えられることから、申請者は各々の生薬に含まれる多糖に対するモノクローナル抗体(mAb)を作製し、続いて、迅速・簡便で信頼性のある酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)や免疫染色法の開発を進める。研究の後半では、確立した種々の免疫化学的分析法を生薬の品質評価や生体内における多糖の吸収、代謝、体内動態等の解析へ適用することで、生薬由来機能性多糖を対象とした免疫化学的分析法の有用性、実用性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、漢方薬の約31%に配剤されているタイソウ(大棗)及び約32%に配剤されているブクリョウ(茯苓)の科学的品質評価法の確立を目指し、各々の生薬に含まれる特徴的な多糖を指標とした免疫化学的分析法を開発することを目的とする。タイソウおよびブクリョウは、補体活性化作用、がん細胞増殖抑制作用や抗炎症作用等を有する様々な多糖を含み、これらは重要な指標成分と考えられることから、申請者は各々の生薬に含まれる多糖に対するモノクローナル抗体(mAb)を作製し、続いて、迅速・簡便で信頼性のある酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)や免疫染色法の開発を進める。研究の後半では、確立した種々の免疫化学的分析法を生薬の品質評価や生体内における多糖の吸収、代謝、体内動態等の解析へ適用することで、生薬由来機能性多糖を対象とした免疫化学的分析法の有用性、実用性を明らかにする。 令和4年度は、ブクリョウ、タイソウ由来水溶性多糖を認識するモノクローナル抗体(mAb)の作製を中心に行った。まず、各生薬の水性エキスから多糖画分を調製した。生薬エキスには様々な成分が含まれている。そこで、適切な透析膜を活用して、高分子の成分を含む試料を得た後、タンパク質をできる限り除くことで、多糖画分得ることに成功した。その後、各多糖エキスを免疫原としてマウスに感作を行った。その結果、血清中に各生薬多糖フラクションに特異性を有する抗体の産生をELISAにより確認することができた。今後は、抗体価が上昇した段階で細胞融合を実施した後、mAb産生ハイブリドーマの作製を進めていく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画していたタイソウ、ブクリョウから免疫原である水溶性多糖を調製し、今後研究を進める上で十分な量の試料を調製できた。さらに、得られた試料は、タンパク質などの不純物が極めて少ないことを確認できたことから、計画と通り、マウスに免疫感作を実施した。その結果、マウス体内でそれぞれの生薬に含まれる多糖を認識する抗体の産生を確認することでき、満足できる成果が得られている。以上のように、本課題はおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
数度の免疫感作の後、十分な抗体価が得られた段階で、脾臓を摘出し、脾細胞を調製する。続いて、エレクトロポレーション法によりミエローマ細胞と脾細胞を融合することで、抗体産生細胞(ハイブリドーマ)を得る。申請者は、細胞融合装置を既に現有しており、最も融合効率が高い(PEG法の約6倍の融合効率)とされる上記手法により細胞融合を図る。複数のハイブリドーマの中で各生薬由来水溶性多糖に対して特異的な反応性を有するmAbを産生する細胞株を見出し、クローニングを実施する。クローニングの完了したハイブリドーマは大量培養し、続いて培養上清中に分泌されたmAbの精製を行う。 免疫化学的分析法に用いる一次抗体の重要な特性は、高い反応性および抗原特異性に他ならない。そこで、高純度に精製した多糖ならびに各種関連生薬を材料として各mAbの特性を精査し、本抗体の有用性を見極める。続いて、有用性が確認できたmAbを用いて簡便、高感度なELISAを確立し、各種生薬サンプルや漢方薬を用いて検証することで品質評価法としての実用性、信頼性を確認する。 免疫化学的分析法を活用した生薬品質評価法の確立に関しては、既に開発に成功しているハンゲ由来水溶性多糖に対するELISAの確立に関する研究成果を参考に実施する計画である。ハンゲ由来水溶性多糖に対するELISAでは、作製できたmAbが一種類であったことから、精度の高いとされるサンドイッチELISAを確立することができなかった。本研究において、各抗原に対して有用なmAbが複数得られた場合には、より高精度なサンドイッチELISAの開発を目指す計画である。
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