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新規3次元感覚神経オルガノイドを用いた抗がん剤末梢神経障害の機序・原因療法の探索

Research Project

Project/Area Number 22K06696
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
Research InstitutionWakayama Medical University (2023)
Kyoto University (2022)

Principal Investigator

今井 哲司  和歌山県立医科大学, 薬学部, 教授 (80468579)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Keywords感覚神経オルガノイド / 抗がん剤誘発末梢神経障害 / シュワン細胞 / 髄鞘障害 / 末梢神経障害 / オルガノイド / 感覚神経 / 抗がん剤
Outline of Research at the Start

1. パクリタキセルやオキサリプラチンなどの処置下における培養感覚神経(3次元感覚神経オルガノイド)の機能・形態的変化、疼痛関連分子の発現を縦断的に解析し、複雑な症状を呈する抗がん剤末梢神経障害(CIPN)の真相究明を目指す。
2. 髄鞘形成シュワン細胞が有する損傷神経の修復促進効果に着目し、髄鞘や神経軸索の再生・修復に基づくCIPNの新たな治療方法の創出を目指す。

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、研究代表者が初めて開発に成功した「髄鞘を有する3次元感覚神経オルガノイド」を用いて、陽性症状(過敏)と陰性症状(鈍麻)が混在する抗がん剤末梢神経障害(Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy; CIPN)の複雑な感覚異常の発症機序の真相究明を目指すことである。令和5年度では、1) オルガノイドを用いた、CIPN発症における感覚神経の機能変化の縦断的解析、2) 新規 CIPN 治療候補薬の二次スクリーニングを計画していた。
これまでに、神経マーカー遺伝子のプロモーター下にAAVでGcamp(Ca2+インジケーター)を導入しオルガノイドを構成する感覚神経を識別化し、細胞体においてGCaMP蛍光強度の変化を指標にCa2+イメージング法により神経活性変化を解析できる系を確立した。具体的には、オルガノイドの神経終末部に低濃度KClやC線維を活性化するTRPV1アゴニストであるCapsaicinなどを処置することで、オルガノイドの神経細胞体部分においてGCaMP蛍光強度の一過性の増加を確認した。現在、この系に抗がん剤処置を行い、末梢神経条件下での神経活性変化を解析中である。
また、前年度までに、シロスタゾールおよび、候補薬Xがシュワン細胞の分化を強力に促進することを見出した。これらの薬物を初代培養シュワン細胞にパクリタキセルと共処置することによって、パクリタキセルによって惹起されるシュワン細胞の脱分化を抑制できることを確認した。さらに、これらの薬物を投与することにより、パクリタキセル投与後のマウスにおける痛覚過敏が緩和された。この結果より、シロスタゾールおよび、候補薬Xはパクリタキセル誘発CIPNの治療薬として有効である可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和5年度では、1) オルガノイドを用いた、CIPN発症における感覚神経の機能変化の縦断的解析、2) 新規 CIPN 治療候補薬の二次スクリーニングを実施する計画だった。
これまでに、1)感覚神経オルガノイドでのCa2+イメージング法による神経活動変化の解析系の確立を行い、2)強力なシュワン細胞の分化誘導効果をもつ、シロスタゾールおよび候補薬Xがパクリタキセルによるシュワン細胞の脱分化やパクリタキセル投与マウスの痛覚過敏を抑制することを見出している。
1)の課題については、オルガノイドへのパクリタキセルや高濃度グルコースの処置を行い、CIPNおよび糖尿病性末梢神経障害における、神経活動変化の解析を開始しており、神経活動の変化と末梢神経の病態の関連について検証を行っている最中である。
2)の課題については、これまでの結果から、シロスタゾールや候補薬XがCIPN治療薬として有効である可能性が示唆されている。現在、候補薬Xと類似の構造を持つ薬物が同様にCIPN治療薬候補となり得るのかについての検討も進めている。
したがって、本課題の進捗状況については、当初の計画通りにおおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

令和6年度では、1) オルガノイドを用いた、CIPN発症における感覚神経の機能変化の縦断的解析の継続、2) 新規 CIPN 治療候補薬の二次・三次スクリーニングの実施を計画している。
1)の課題については、抗がん剤処置後のオルガノイドにおける神経活動変化をCa2+イメージング法により測定し、CIPNの初期と後期で、神経機能にどのような違いが生じるか検討を行う予定である。また、オルガノイドの神経細胞体を回収し、疼痛関連分子の発現変化についても解析を行う予定である。
2)の課題については、前年度までに同定したCIPN治療候補薬が、オルガノイドにおいて確認された脱髄、神経活性の変化、および疼痛関連分子の発現変化を抑制できるかについて評価する。また、候補薬の鎮痛効果について、他の鎮痛薬による効果との比較試験を実施する。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (10 results)

All 2023 2022

All Presentation (10 results) (of which Invited: 6 results)

  • [Presentation] 薬剤部で推進する抗がん剤誘発末梢神経障害の病態解明と原因治療法の提言に向けたトランスレーショナルリサーチ2023

    • Author(s)
      今井哲司
    • Organizer
      第16回 日本緩和医療薬学会年会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 有髄性3次元感覚神経オルガノイドを用いた抗がん剤末梢神経障害の本質的機序解明に向けた新たな試み2023

    • Author(s)
      今井哲司
    • Organizer
      第34回 日本末梢神経学会学術総会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 末梢神経障害の本質的な機序解明を目的とした新規3次元感覚神経オルガノイドの開発2023

    • Author(s)
      荻堂 亮甫、小柳 円花、守屋 茜里、西郷 雅美子、井樋田 悟史、寺西 知子、松原 和夫、寺田 智祐、山下 哲、今井 哲司
    • Organizer
      第42回鎮痛薬 オピオイドペプチドシンポジウム
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 末梢神経障害の機序解明のための経時的な形態・機能解析を可能にする新規3次元感覚神経オルガノイドの開発2023

    • Author(s)
      小柳円花、荻堂亮甫、守屋茜里、西郷雅美子、井樋田悟史、寺西 知子、寺田智祐、山下哲、今井哲司
    • Organizer
      第45回 日本疼痛学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 抗がん剤の薬理学2023

    • Author(s)
      今井哲司
    • Organizer
      第61回 日本癌治療学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] Impacts of peripheral neuropathy modulated by neuron/Schwann cell interaction on cancer pathology2023

    • Author(s)
      Satoshi IMAI
    • Organizer
      第82回日本癌学会学術総会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 継続的な形態・機能解析を可能にする新規3次元感覚神経オルガノイドの開発2023

    • Author(s)
      荻堂亮甫、小柳円花、守屋茜里、西郷雅美子、井樋田悟史、寺西 知子、松原和夫、寺田智祐、山下哲、今井哲司
    • Organizer
      第97回 日本薬理学会年会
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      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 薬剤部で取り組むリバース・トランスレーショナルリサーチ 臨床問題解決型の研究を推進する医療人材の養成2022

    • Author(s)
      今井 哲司
    • Organizer
      第32回日本医療薬学会年会
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      2022 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 末梢神経障害の発症メカニズム解析を目的とした新規3次元感覚神経オルガノイドの開発2022

    • Author(s)
      守屋 茜里、今井 哲司、荻堂 亮甫、小柳 円花、糸原 光太郎、平 大樹、 中川 俊作、米澤 淳、中川 貴之、寺田 智祐
    • Organizer
      第41回鎮痛薬・オピオイドペプチドシンポジウム
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      2022 Research-status Report
  • [Presentation] 薬剤部で推進する創薬・育薬研究 臨床問題解決型研究のすすめ2022

    • Author(s)
      今井 哲司
    • Organizer
      東京都病院薬剤師会 第1回 緩和医療領域薬剤師養成研究会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
    • Invited

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Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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