Project/Area Number |
22K06713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
寺田 一樹 姫路獨協大学, 薬学部, 准教授 (00724197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 征慶 福岡大学, 薬学部, 助教 (00759251)
松本 太一 福岡大学, 薬学部, 講師 (80570803)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | Sigma-2受容体 / シグマ受容体 / 神経新生 / うつ病 / シグマ-2受容体 |
Outline of Research at the Start |
うつ病で新たに提唱された神経新生説は,中枢神経系の器質的な病態改善を目論むことができ,すなわちうつ病の根本治療に繋がることが期待される。しかしながら,これまで明確な有益性を表現できる治療薬は誕生しておらず,新たな展開が望まれている。そこで本研究では,シグマ-2受容体を介した神経新生作用を応用し,in vitroおよびin vivo両面のうつ病病態モデルから有効性について検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,神経新生作用を応用することで新たなうつ病治療薬を創出することを目的としている。我々は,これらの能力を発揮するための標的機構としてオーファン受容体のシグマ-2受容体 (σ2R) に着目した。σ2Rは,長年未知の受容体として位置付けられており,2017年にようやくクローニングされた新しい受容体である。現在までに,神経細胞に多く発現することなどは報告されているが,その機能のほとんどは明らかとなっていない。 当年度では、培養細胞においてσ2Rを過剰発現させた際の細胞内変化を調査した。神経系の研究で汎用されるラット副腎褐色腫由来PC12細胞において、σ2Rの一過性発現を施したのちRNA-seqによる解析を行った。その結果、σ2Rの発現上昇によってUbe2bやPDCD5、Eno2、Cd151といった中枢神経系に関連のある遺伝子の発現上昇がみられた。一方で、ヒト神経芽細胞腫由来SH-SY5Y細胞においては、これらの遺伝子の上昇がみられないことが明らかとなった。両細胞は、神経栄養因子により神経突起を伸長するという共通の特徴を有するが、PC12細胞は神経成長因子 (NGF)、SH-SY5Y細胞は脳由来神経栄養因子 (BDNF) を基盤とする点で異なる。そのため、今後はσ2Rの過剰発現安定細胞株により、未分化・分化後それぞれの状態において解析を試みることとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、σ2Rの研究は世界的にも広がりを見せており、σ2Rの生体機能についても少しずつ報告が増えている。しかしながら、特に中枢神経系においてはいまだ不明な点も多く、今後の展開に期待が持たれている。本研究では、σ2Rの中枢神経系での役割を明らかにし、さらにうつ病などの精神疾患の発症・治癒の標的となり得るか調査することを目的としている。 現在までに、培養細胞においてσ2Rを過剰発現させることで細胞内の変化を評価する研究体制は構築できている。また、さらに評価対象となるべき遺伝子も発見できているため、今後さらに詳細な機構について解析を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究成果から、σ2Rによるターゲット遺伝子の候補がいくつか発見できている。一方で、細胞腫によってその相同性が異なる結果も出ており、細胞固有の特徴や種、トランスフェクション効率なども大きく影響していると考えられる。今後は、σ2Rの過剰発現安定細胞株を用いて、遺伝子解析以外にも神経突起の伸長作用に対する影響についても解析を進める予定である。
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