抗嫌気性菌薬療法の感染組織中動態・患者病態因子・薬剤耐性機構に基づく個別最適化
Project/Area Number |
22K06723
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
猪川 和朗 広島大学, 医系科学研究科(薬), 准教授 (40363048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 則文 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (30346481)
大毛 宏喜 広島大学, 病院(医), 教授 (70379874)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 臨床 / 感染症 / 薬物動態 / 薬力学 |
Outline of Research at the Start |
偏性嫌気性菌に対する薬物(抗嫌気性菌薬)で定量的な検討と各結果の統合が行われてこなかった問題点に着目した本研究では、抗嫌気性菌薬の生理学的・組織中薬物動態、感染時での患者病態因子の薬力学、嫌気性菌の薬剤耐性機構をそれぞれ定量的に解明する。その上で、これら三つの知見の統合解析により、耐性化防止・耐性菌治療まで含めた抗嫌気性菌薬療法を個別最適化する。特に治療で難渋する高齢・フレイル、臓器機能障害、免疫低下状態における抗嫌気性菌薬選択・投与法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、偏性嫌気性菌に対する薬物(抗嫌気性菌薬)で定量的な検討と各結果の統合が行われてこなかった問題点に着目し、抗嫌気性菌薬の生理学的・組織中薬物動態(PK)、感染時での患者病態因子の薬力学(PD)、嫌気性菌の薬剤耐性機構をそれぞれ定量的に解明したうえで、三者の知見を統合解析することにより、薬剤耐性化の防止・治療まで含めた抗嫌気性菌薬療法を個別最適化することを目的とする。特に治療で難渋する高齢・フレイル、臓器機能障害、免疫低下状態における抗嫌気性菌薬選択・投与法の確立を目指して、令和5年度には以下のとおり実施した。 各種の臨床検体の採取については、研究協力施設で種々の患者(過体重・肥満患者、低体重患者を含む)から、血液に加えて腹水、腹膜、皮下脂肪織などの組織体液検体を採取した。次に各種薬物の組織体液中・血中濃度測定については、メトロニダゾール、β-ラクタマーゼ阻害薬配合剤およびオキサセフェム系の薬物濃度測定系を確立したうえで、臨床検体に適した前処理方法や定量方法への修正・整備を行った。そして、薬剤耐性菌を含む臨床分離株に対して、抗嫌気性菌薬のMICを収集し、MIC変化量データとして得た。また、様々な種類の細菌データ、患者の病態や抗嫌気性菌薬療法に関連するデータ、および有害事象等の安全性データも収集した。各PKデータの生理学的臓器別PKモデルによる母集団解析では、組織体液中・血中濃度の同時あてはめ解析により、適切な生理学的な標的臓器モデルを構築した。続いて、各種細菌データの機構モデルの組込によるシミュレーションでは、薬物ごとの生理学的臓器別PK母集団モデルへ機構に基づいて細菌データを組み込み、感染臓器での嫌気性菌治療効果・耐性化発現防止の確率を予測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、感染患者での生理学的PK、病態時での患者因子PD、嫌気性菌の薬剤耐性に関するデータを収集すること、データを定量的に解析してモデリング&シミュレーション手法により、三者の知見を統合解析して個別最適化へ向けた関係式を構築すること、に関して下記のとおり取り組んだ。 各種の臨床検体の採取については、研究協力施設で種々の患者(過体重・肥満患者、低体重患者を含む)から、血液に加えて腹水、腹膜、皮下脂肪織等の組織体液検体を採取した。次に各種抗嫌気性菌薬の組織体液中・血中濃度測定については、メトロニダゾール、β-ラクタマーゼ阻害薬配合剤のピペラシリン-タゾバクタム、セフトロザン-タゾバクタム、イミペネム-シラスタチン、およびオキサセフェム系薬フロモキセフの薬物濃度測定系を確立したうえで、臨床検体に適した前処理方法や定量方法への修正・整備を行った。そして細菌の静的・動的な耐性データの収集については、薬剤耐性菌を含む臨床分離株に対して、抗嫌気性菌薬のMICを収集し、MIC変化量データとして得た。また、様々な種類の細菌データ、患者の病態や抗嫌気性菌薬療法に関連するデータ、および有害事象等の安全性データも収集した。各PKデータの生理学的臓器別PKモデルによる母集団解析では、組織体液中・血中濃度の同時あてはめ解析により、適切な生理学的な標的臓器モデルを構築した。続いて、各種細菌データの機構モデルの組込によるシミュレーションでは、薬物ごとの生理学的臓器別PK母集団モデルへ機構に基づいて細菌データを組み込み、感染臓器での嫌気性菌治療効果・耐性化発現防止の確率を予測した。以上のとおり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題において今後は、抗嫌気性菌薬療法の有効性に関連する耐性菌比率、細菌量、白血球・リンパ球・好中球、体温、炎症マーカー等の臨床データをさらに収集し、末梢血単核細胞の感受性分析で免疫機能の計測も行う計画である。そして、予測値と実測値の比較によるモデルの修正と治療最適関係式の構築を行い、各薬の感染臓器での嫌気性菌治療効果・耐性化発現防止の予測に対し、実測の臨床データを用いたベイズ推定で、感染治療モデルとパラメータ値を修正する計画である。そのうえで本研究課題の最終段階として、治療最適関係式を患者へプロスペクティブに検証・修正して抗嫌気性菌薬療法アルゴリズムを確立することを目指す。具体的には、統合的解析評価により構築された関係式に基づいて、薬物、細菌、宿主状態の特性因子に応じた個別最適な抗嫌気性菌薬療法を設計するソフトウェア・アプリケーションを開発する計画である。そして、新規に開発されたツールを感染患者へプロスペクティブに臨床適用する予定である。適用結果のフィードバックにより修正を図ることで、薬剤耐性化の防止・治療まで含めた最適な抗嫌気性菌薬選択・投与法アルゴリズムを確立する計画である。以上のとおり今後、研究を推進する方策である。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)