リアルワールドデータの統合解析で拓くがん免疫薬物療法の致死的有害事象回避法の構築
Project/Area Number |
22K06724
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岡田 直人 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (30623269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石澤 啓介 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60398013)
座間味 義人 岡山大学, 大学病院, 教授 (70550250)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害薬 / リアルワールドデータ / irAE / がん免疫療法 / リアルワールド / 免疫関連有害事象 |
Outline of Research at the Start |
免疫チェックポイント阻害薬を用いたがん免疫薬物治療において、心筋炎や間質性肺炎など致死的な免疫関連有害事象(irAE)を未然に回避する手段の確立が喫緊の課題である。本研究は、複数の大規模リアルワールドデータを用いた網羅的な診療データ解析を行い、致死的irAE発現リスクファクターを同定する。さらに複数のリスクファクターを統合し、致死的irAEの発現を精度よく予測可能な「統合リスクファクター」の創出を目的とする。本研究の推進は、予測精度が高い致死的irAE発現リスクファクターに基づいた治療法選択を可能にし、安全性をより高めたがん免疫薬物治療の個別化治療法の構築に繋がることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、有害事象自発報告データベースを用い、免疫チェックポイント阻害薬による重症筋無力症のリスクファクター同定を試みた。その結果、免疫チェックポイント阻害薬により重症筋無力症の有害事象報告は、他の薬剤と比較して有意に多いことが明らかになった。また、年齢・性別に関する多変量解析により、高齢者において免疫チェックポイント阻害薬関連重症筋無力症の報告頻度が高い可能性が示唆された。加えて、免疫チェックポイント阻害薬関連重症筋無力症とともに報告されている症状/病態の報告数を検討したところ、眼瞼下垂や呼吸筋障害、筋炎など様々な症状/病態が含まれていることが明らかになった。このように、年齢や性別など、従来の重症筋無力症のリスクファクターとは異なる因子が免疫チェックポイント阻害薬関連重症筋無力症のリスクファクターとして同定された。 また、レセプトデータを用いて、肺がん治療における免疫チェックポイント阻害薬による間質性肺炎に対する併用薬の影響を詳細に解析した。その結果、治療過程により免疫チェックポイント阻害薬による間質性肺炎の発現頻度が異なる可能性が示唆された。特に特定の分子標的薬使用と免疫チェックポイント阻害薬の使用により、間質性肺炎のリスクが上昇する可能性が見出された。現在の肺がん治療では、免疫チェックポイント阻害薬が多くの場面で使用されている一方で、分子標的薬も高い治療効果を上げており、これら薬剤をどのように使用するかが議論されている。本研究をさらに推進することで、肺がん領域における安全性を向上させた治療法の開発に繋がることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の異動に伴い、研究環境の再構築が必要になった。既に研究環境の構築が完了し、有害事象自発報告データベースおよびレセプトデータベースの使用環境構築が完了した。現在は構築したデータベースを用いて、免疫チェックポイント阻害薬による間質性肺炎に対する併用薬の影響を詳細に解析している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、レセプトデータを用いた、免疫チェックポイント阻害薬による間質性肺炎に対する併用薬の影響についてさらに解析を進めていく。 近年、免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(irAE)において、免疫再構築症候群による既感染ウイルスによる再感染が問題視されている。特に結核やB型肝炎の再活性化が報告されており、これら有害事象は致死的経過を辿ることが多い。今後はレセプトデータや有害事象自発報告データベースを用いて、免疫チェックポイント阻害薬による非HIV-免疫再構築症候群に焦点を当て解析を進めていく予定である。すでに有害事象自発報告データベースを用いた解析に着手しており、今後はレセプトデータも含めた解析を実施する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)