Project/Area Number |
22K06746
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
蓬田 伸 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (80230845)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | SecinH3 / ERMタンパク質 / NF-kB p65 / リン酸化 / Doxorubicin耐性細胞 / K562 / Doxorubicin耐性 / P-タンパク質 / 排出機能 / ARF6 / P-糖タンパク質 / Sec7ドメイン阻害剤 / GEF |
Outline of Research at the Start |
がん細胞にとって化学療法は、ある意味ストレス応答と考えられ、その結果として薬物耐性能、転移能や腫瘍血管新生を獲得する要因となる。それぞれの現象を抑制するために、複数の抗がん剤が用いられ、患者は副作用や治療に対するストレスを受けることになる。P-gpの発現や機能に関する新たな因子の解析を行っているなかで、Sec7ドメイン阻害剤のSecinH3が、P-gpの排出機能をほぼ、P-gpが発現していない細胞のレベルまで抑制し、Arf6の活性化を伴わない、新たなメカニズムの可能性のデータが得られた。そこで、SecinH3のメカニズムを分子生物学的手法、生化学的手法および免疫学的手法を用いて解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
SecinH3のP-糖タンパク質の排出抑制作用が、MDR1を高発現させたSf9細胞vesicleを用いて検討したところ、直接作用が認められなかったことから、事前に網羅的解析やmRNAなどの発現から、ERMタンパク質であるMoesinの可能性が出てきた。ERMタンパク質は、活性化となりP-gpと結合し、細胞膜上に繋ぎとめる働きがあることから、発現や機能に関係するとの報告がある。そこで、Moesinを含めたERMタンパク質のリン酸化に対する効果を検討した。その結果、Doxorubicin耐性細胞においてMoesinタンパク質の増加は見られたが、Ezrin、Radixinの発現の上昇は見られなかった。そして、SecinH3を処置してもこれらタンパク質の発現に影響を与えなかった。また、Doxorubicin耐性細胞において、Ezrin、RadixinおよびMoesinのリン酸化は見られなかった。そこで、Doxorubicinで耐性細胞を処置して、ERMタンパク質のリン酸化を検討したが、100nMのDoxorubicin処置においてはERMタンパク質のリン酸化は認められなかった。そこで、耐性細胞において、NF-kBp65やp44/42MAPK、p38MAPKなどの関与が報告されていることから、これらのタンパク質のリン酸化に対するSecinH3の効果を検討した。その結果、NF-kBp65のリン酸化に大きな変化は見られなかった。さらに、p44/42MAPKやp38MAPKは耐性細胞においてリン酸化は確認できなかった。さらに、Doxorubicinで処置してもこれらタンパク質のリン酸化は確認できなかった。これらの結果から、NF-kBp65やp44/42MAPK及びp38MAPKの関与はほとんどないと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ERMタンパク質およびNF-kB p65などのリン酸化を検討したが、思った結果が得られなかった。刺激剤の検討が必要なのかもしれない。また、ARF6の活性化のみならず、他のARFの活性化についても検討が必要であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
Doxorubicinを刺激剤として高濃度で検討したが、ある程度濃度を振って検討する必要がある。また、時間についても何点か検討し、Doxorubicinによる刺激について検討する。SecinH3に結合するタンパク質を検討するために、SecinH3をカルボキシル化しamino-modified nanobeadsが作れるかを検討する。作れれば、nanobeadsを使って結合タンパク質の解析を行う。また、SecinH3のターゲットはGEFであることから、ARFの活性化に影響を与えるかについて検討する。そして、ARF6やARF1、さらにはSecinH3に結合するタンパク質が同定できれば、それらタンパク質のノックダウン細胞を作成し、ARF及びSecinH3結合タンパク質がP-糖タンパク質の排出機構に関係するかを検討する。さらに、MDR1以外のMRP1、MRP2、MRP3、MRP4およびBCRPを高発現させたSf9細胞vesicleを用いて、他のABCトランスポーターへのSecinH3の影響を検討する。
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