Project/Area Number |
22K06769
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
木村 早希子 佐賀大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (70601045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 修 佐賀大学, 理工学部, 教授 (20357891)
山口 暢彦 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (80363422)
齋田 哲也 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (80419621)
島ノ江 千里 佐賀大学, 医学部, 教授 (10734064)
木村 晋也 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359794)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 人工知能 / 機械学習 / 周術期休薬判断 / 周術期 / 休薬判断 |
Outline of Research at the Start |
抗血栓薬、がん分子標的薬等の周術期の不適切な休薬は、出血や血栓症等により重篤な障害や死に至る可能性がある。本研究では、申請者らが開発した、薬、中止リスク、継続リスクに応じて科学的根拠に基づき休薬期間を表示するアプリへの人工知能(artificial intelligence: AI)機械学習の適用可能性を探索する。AIは休薬判断根拠となる文献情報や臨床で医学・薬学的考察に基づいて決定した休薬判断症例を多数学習し休薬判断アルゴリズムを構築することで、類似事例の休薬判断を行うものとする。更に、休薬判断症例の薬物血中濃度・血液凝固活性の変化や臨床経過を解析してAI判断結果の妥当性を検証・補正する。
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Outline of Annual Research Achievements |
侵襲的医療行為を実施する際、抗血栓薬や一部のがん分子標的薬などは適切な休薬期間を確保する必要がある。我々は周術期の迅速で的確な休薬判断のために、薬の種類、中止リスク、継続リスクに応じて科学的根拠に基づき休薬期間を表示するアプリを開発し、臨床試験で有用性を確認した(Kimura et al. Medicine 2020)。本研究では、臨床で行われている暗黙知による休薬判断を形式知に変換し、人工知能機械学習の適用可能性を探索する。 R5年度は、前年度に構築したベイジアンネットワークによる周術期休薬判断アルゴリズムについて院内の専門家で検証し、学習に必要な教示データの内的妥当性、外的妥当性を高める要素を分類、国内外で報告されている抗血栓薬・分子標的薬の周術期休薬判断や母集団薬物動態モデルを抽出し、研究デザイン、解析対象集団、共変量を評価した。加えて、出血リスクが極めて高い分子標的薬イブルチニブとダサチニブについて血中濃度推移をシミュレーションしたデータを抽出して学習用のデータセットを作成した。更に、ダサチニブについて、決定木モデルとLong Short Term Memory (LSTM)モデルによる血中濃度予測精度を比較した。決定木モデルではGBM、XGBoost、Random Forestのアルゴリズムを比較し、データ数や特徴量の増加によりアルゴリズムごとの性質が露出し、個人間のグループ化を図ることができ、精度も向上することを確認した。LSTMモデルでは、モデルデータと臨床データの両方で一致した予測を行うことが可能となった。分子標的薬の組織中濃度シミュレーションモデルの構築に向けては、オシメルチニブ特異的抗体を作製し、オシメルチニブの作用部位を特定するための免疫組織化学法を開発するとともにラットの腸、皮膚、肺におけるオシメルチニブ作用部位を可視化することができ、更にダサチニブ定量のための特異的かつ高感度なサンドイッチ酵素免疫測定法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R5年度においては、当初計画していたR4年度構築した周術期休薬判断アルゴリズムの検証、学習用のデータセットの再構築、ファーマコメトリクスに機械学習を応用した分子標的薬の血中・組織中濃度シミュレーションモデルの構築を進めた。まずはイブルチニブとダサチニブにについて母集団薬物動態解析を実施した。さらに、ダサチニブについては、機械学習モデル・アルゴリズムの比較や高感度血中・組織中濃度の測定も可能となり、現在のところ、研究計画に沿った実験とその関連研究を順調に展開しており、今後も特に大きな技術的問題等は生じないと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初の計画通り以下の項目に沿って研究を行う。 R5年度確立したファーマコメトリクスに機械学習を応用する数理・統計解析法を基盤に、実際の臨床で測定した血中濃度データを取り入れることでリアルワールドの血中濃度推移へとシミュレーションの精度を高めていく。更に、R5年度では機械学習による休薬判断アルゴリズムをガイドラインベースと薬物血中濃度ベースに分けて進めていたが、本年度は統合することを試みる。統合アルゴリズムとして得られたネットワーク構成の相互作用を検証し、従来のガイドラインベースでは解が導き出せなかった周術期休薬判断モデルについて構築したアルゴリズムにより精度の高い休薬判断の支援を目指す。
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