Elucidation of the localization and the role of O-GlcNAc-modified actin and phosphorylated actin in the nucleus
Project/Area Number |
22K06816
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
秋元 義弘 杏林大学, 医学部, 教授 (60184115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮東 昭彦 杏林大学, 医学部, 准教授 (80255398)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | アクチン / 糖修飾 / O-GlcNAc / リン酸化 / 腎糸球体 / 核 |
Outline of Research at the Start |
研究代表者らは、これまでO-グリコシド結合N-アセチルグルコサミン(O-GlcNAc)とよばれる糖の修飾(O-GlcNAc化)とリン酸化の変化を指標にして、糖尿病性腎症に伴うアクチンのO-GlcNAc化とリン酸化の変化を明らかにしてきた。この過程で、O-GlcNAc化アクチン並びにリン酸化アクチンが細胞質だけでなく核内にも存在する事実を見出した。核内におけるアクチンは転写調節などの重要な役割を担っていることが報告されているが、糖修飾アクチンおよびリン酸化アクチンの役割についての報告はまだない。本研究では、糖修飾アクチンとリン酸化アクチンの核内での局在およびその役割を解明することを目的にする。
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Outline of Annual Research Achievements |
アクチンは細胞骨格成分としての機能がよく知られているのに加えて、近年、核内において転写などの調節に関与することが明らかになりつつある。 アクチンは、リン酸化、糖修飾(O-GlcNAc化)、ユビキチン化、SUMO化、アセチル化など様々な翻訳後修飾を受ける。アクチンの糖修飾(O-GlcNAc化)部位は6ヶ所あり、そのうち3ヶ所(Ser 52, 199, 323)はリン酸化部位と一致していることが明らかになっているが、これらの部位の糖修飾が、アクチンの機能の調節にどのように関与しているについては不明である。 核の内部には、クロマチンや核マトリクスの他に、核内構造体とよばれるRNAとRBP(RNA結合タンパク質)から構成される機能的な集合体が存在する。核内構造体では転写、RNAプロセシング、RNAエディティングなど様々なRNAの転写制御が行われている。核内構造体の主なものは、核小体、カハール体、核スペックル、パラスペックル、PML体、Gemがあり、それぞれ機能が異なることが知られている。本年度は、糖修飾アクチンの核内における役割について調べる目的で、糖修飾(O-GlcNAc化Ser199)アクチン抗体と核内構造体に対するマーカータンパク質抗体を用いて、免疫組織化学的方法と免疫沈降法により糖修飾アクチンがこれらの核内構造体のどれに局在するかを検討した。 その結果、ラット腎糸球体の核において糖修飾アクチンが核スペックルに局在するserine and arginine rich splicing factor 3 (SRSF3)と共局在していることが明らかになった。さらに、糖修飾アクチン抗体による免疫沈降産物を用いてWestern blottingを行ったところ、糖修飾アクチンとSRSF3の結合性が確認された。SRSF3 は、転写、RNA プロセッシングやタンパク質の翻訳などさまざまな機能を担っていることが明らかになっている。以上のことから、糖修飾アクチンが核スペックルにおいてSRSF3と相互作用してこれらの機能を調節することが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アクチンのアミノ酸配列の中で糖修飾とリン酸化の修飾が同じセリン残基で起こる3ヶ所の部位のうち、糖修飾・リン酸化Ser199アクチン抗体を作製し、この抗体と市販の核内構造体に対する抗体を用いて修飾アクチンが核内構造体である核小体、カハール体、核スペックル、パラスペックル、PML体、Gemのどれに局在するかを検討した。 組織、細胞における糖修飾アクチンとリン酸化アクチンの核内局在と核内構造体との関係を調べることを目的に腎臓、肝臓、網膜、神経などの組織、培養細胞における糖修飾アクチンとリン酸化アクチンの核内局在を免疫組織化学的に調べており、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
糖修飾、リン酸化アクチンの核内での機能(転写への関与)を調べることを目的に、修飾アクチンの転写調節への関与を解析する。まずRNAポリメラーゼIIと糖修飾、リン酸化アクチンが共局在しているか免疫染色で調べる。さらに修飾アクチンがRNAポリメラーゼIIと複合体を形成して、RNA転写に関与するか否かをin situ Proximity Ligation Assay法にて検討する。また、培養細胞内に修飾アクチン抗体を導入後、細胞を permeabilizeし、BrUTPとインキュベートする。新た産生されたmRNAを蛍光標識抗BrdU抗体により可視化する。これによって修飾アクチンと転写との関係が明らかになる。 さらに、糖修飾アクチン、リン酸化アクチンと相互作用する核内タンパク質の同定することを目的に、核画分タンパク質を、修飾アクチン抗体を用いて免疫沈降を行う。そのタンパク質を電気泳動にて分離する。このタンパク質を含むバンドをゲルから切り出し、マススペクトロメトリーにより同定する。これによって同定されたタンパク質から、修飾アクチンの核内での機能について推測する。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)