ミトコンドリアの変化が筋小胞体カルシウム・スパークと不整脈の発生に与える影響
Project/Area Number |
22K06839
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48020:Physiology-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 昌人 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30302110)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 遥 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90803883)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | ミトコンドリア / カルシウム / 活性酸素 / 不整脈 |
Outline of Research at the Start |
ミトコンドリアは心室筋容積の約30%を占めているものの、不整脈発生における役割は不明な点が多い。研究代表者は、ミトコンドリア内膜のコネキシン(Cx)43の薬物的阻害あるいは遺伝的欠損がスパーク頻度を増加させ、催不整脈性を亢進させることを報告している。本申請では、このような筋小胞体へのミトコンドリア変化の情報伝達が、メッセンジャー的物質を介するのか、それとも直接行われるのかの解明を目指す。心筋特異的Cx43欠損マウスと心筋特異的ミトコンドリア・カルシウム・ユニポーター欠損マウスを用いて、細胞内及びミトコンドリア内のカルシウム濃度や活性酸素とスパーク頻度との関係を記録する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
Cx43flox/floxマウスとα-myosin heavy chain (Myh6)-cre+/-マウスを交配することにより、心筋特異的Cx43欠損マウスを作製した。心筋特異的Cx43欠損マウスではミトコンドリア内膜においてCx43が発現しておらず、そのリッターメイト・マウス(コントロール・マウス)では発現していた。 1) ミトコンドリア内カルシウムの測定: 両群マウス多細胞心室筋におけるミトコンドリア内カルシウムをrhod-2蛍光を用いて記録した。Cx43欠損マウスでは、コントロールマウスに比べて細胞外液0.2から6 mmol/Lにおいてrhod-2蛍光が有意に増加した(p<0.01)のに対し、発生張力には両群間に有意差を認めなかった。Mitochondrial calcium uniporter(MCU)を介したミトコンドリアへのカルシウム取り込み阻害薬であるRu360の投与により、rhod-2蛍光は低下した。このことから、MCUを介したカルシウム流入の増加が、ミトコンドリア内カルシウム増加の一因であることが示唆された。 2)ミトコンドリア内活性酸素(ROS)産生の測定: 両群マウス多細胞心室筋におけるミトコンドリア内ROS産生をMitoSoxRed蛍光を用いて記録した。MitoSoxRed蛍光はRu360の投与によって低下し、10 mmol/L過酸化水素によって増加した。この過酸化酸素の投与により、静止張力が増加し、発生張力が低下した。MitoSoxRed蛍光の上昇の割合がCx43欠損マウスで小さかったことより、ROS産生はCx43欠損マウスにおいて増加していることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者、研究協力者と役割を分担しながら順調に研究を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)ミトコンドリア内の活性酸素(ROS)及びカルシウムによるカルシウム・スパーク頻度と催不整脈性の変化: SS-31はミトコンドリア内のROS産生を低下させることが報告されている。コントール・マウスの単離心筋細胞にSS-31を投与し、細胞内とミトコンドリア内のROS産生とカルシウム・スパーク頻度(fluo-4)を記録する。また、コントール・マウスの単離心筋細胞にRu360を投与し、細胞内とミトコンドリア内のカルシウム濃度とROS産生、カルシウム・スパーク頻度を記録する。 2)MCU欠損マウスにおける張力、細胞内カルシウム、催不整脈性の変化: MCU欠損とコントロールマウスの多細胞心室筋において、発生張力、細胞内とミトコンドリア内のカルシウム濃度を記録する。MCU欠損マウスにおける細胞外カルシウム濃度と細胞内及びミトコンドリア内カルシウム濃度との関係を解明する。不整脈が誘発される最も低い細胞外カルシウム濃度を特定することにより、催不整脈性を評価する。 3)カルシウム・スパーク頻度、ミトコンドリア膜電位、ROS産生の変化: 両群マウスにおける2秒と0.4秒間隔の電気刺激による細胞内とミトコンドリア内のROS産生、ミトコンドリア膜電位(JC-1)、筋小胞体カルシウム・スパーク頻度の関係を記録する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)