Project/Area Number |
22K06843
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48020:Physiology-related
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
石橋 賢 浜松医科大学, 医学部, 助教 (90832189)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | オレキシン / sAHP / 非選択的陽イオンチャネル / カタプレキシー / セロトニン / 覚醒 / slow AHP |
Outline of Research at the Start |
睡眠/覚醒調節に関与するオレキシンが背側縫線核セロトニン作動性ニューロンを脱分極させるだけでなく同時に発火後過分極の増強をもたらすことをこれまでに報告した。この作用は、セロトニンの安定した脳内分泌に非常に重要な役割を果たしていると考えられる。本研究は、オレキシンによる発火後過分極の増強が背側縫線核セロトニン作動性ニューロンの活動に及ぼす生理学的な影響を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、背側縫線核セロトニン作動性ニューロンにおいてオレキシンが誘発する発火後過分極増強(oeAHP)のうちカルシウム感受性カリウムチャネルの阻害薬であるアパミンに非感受性な成分(ai-oeAHP)が発火活動特性に及ぼす細胞機能的な影響を明らかにすることを目的とする。令和5年度は、脳スライス標本に対する電気生理学的手法を用いた薬理学実験によりai-oeAHPの発現に関わるイオンチャネルの同定についてさらに解析を行った。これまでの研究結果により非選択的陽イオンチャネルがオレキシンの作用に関与していることを示唆するデータが得られているため、さらに選択性が高い阻害薬による検討をしたところ、以下の進展がみられた。 Transient receptor potential(TRP)チャネルのうちTRPC4/5を選択的に阻害するM084は、ai-oeAHPの振幅に有意な影響を及ぼさなかったのに対して、オレキシン誘発性内向き電流の振幅をわずかに減少させた。さらに、デルタ型グルタミン酸受容体の阻害薬である1-Naphthylacetyl spermine (Naspm)は、オレキシン誘発性内向き電流とai-oeAHPの両方を大きく抑制した。これらの結果から、オレキシン受容体の活性化は、主にデルタ型グルタミン酸受容体を活性化することで脱分極を引き起こし、脱分極によって引き起こされる発火活動によって細胞内に流入したカルシウムにより、このデルタ型グルタミン酸受容体が一過性に抑制されることでai-oeAHPが発現していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度に計画していた電気生理学的手法を用いた薬理学実験により、オレキシンがデルタ型グルタミン酸受容体を活性化することが明らかになったことから、全体としておおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
背側縫線核のセロトニン作動性ニューロンにおいて、オレキシンがイオンチャネル型グルタミン酸受容体ファミリーに属すデルタ型グルタミン酸受容体を活性化することで脱分極を引き起こすことを明らかにした。しかし、発火活動により活性化される電位依存性カルシウムチャネルを介した細胞内へのカルシウム流入がデルタ型グルタミン酸受容体を抑制する機序について明らかになっていないため、さらに解析を進めていく予定である。
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