Project/Area Number |
22K06851
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48020:Physiology-related
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
荒田 晶子 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00266082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 章弘 名古屋大学, 環境医学研究所, 特任教授 (60323292)
東島 眞一 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 教授 (80270479)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 胎動性活動 / 呼吸性活動 / グリシン / GABA / ゼブラフィッシュ / ラット / TRPA1 / TRPV1 / 全身回転運動 / NMDAレセプター / 5-HT / リズム運動 / 橋結合腕傍核 / 感覚‐運動連関 / 発達障害 |
Outline of Research at the Start |
胎動は全身回転運動から始まることが知られている。そのような初期運動は、ほ乳類だけでなく、魚類であるゼブラフィッシュにおいても極めて良く似た初期運動が保存されていることが知られているため、発達において何かの意味を持っている可能性を示唆すると思われるが、同じような初期胎動性活動が、何故、種を超えてプログラムされているのかについて、その相同性や意義について、科学的に検証されたことがないため、本研究で実施する。さらに、その胎動性活動を光操作等を要して、その後の発達や睡眠覚醒機構や歩行・呼吸といったリズム活動に関する解析を胎動と関連付けて考察するユニークなプロジェクトである。
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Outline of Annual Research Achievements |
胎動のような全身回転運動は、ほ乳類だけでなく魚類のゼブラフィッシュにおいても極めて良く似た初期運動が保存されているため、この運動は発達に重要な役割を持つと思われる。胎生期初期の起こる初期の全身回転運動は、羊水中において身体の感覚器に動くことにより生じる水圧を物理的な刺激として身体の感覚を活性化し、それが神経回路の発達を促すのではないかという仮説に基づき、感覚-運動連関の観点から、胎動が歩行・呼吸といったリズム活動を巻き込んで全身運動をすることにより、神経回路構築に関わる可能性を解析する。 全身回転運動は、ゼブラフィッシュにおいては受精後17時間~23時間の間に見られるものであり、ラットでは胎生15日~21日、ヒトでは8週~12週に該当することが確認された。また、これらの運動はラットでは、NMDAレセプターグリシン結合部位の遮断薬でブロックされ、ゼブラフィッシュの初期運動であるCoillingもNMDAレセプター遮断薬で抑制された。また、Coillingを麻酔薬により止めると、その後の発達において、泳ぎのスピードが有意に遅くなるという結果を得ている。さらに、感覚に応ずる泳ぎの反応時間も遅くなり、致死率も高くなった。その影響は、受精後20-23時間の孵化直前期間を抑制した時に最も顕著であった。一方で、齧歯類では、胎生15日~21日に全身回転運動が現れており、麻酔薬によってほぼ完全に抑制された。感覚-運動連関においては、摘出脳幹-脊髄標本でも感覚刺激薬であるTRPA1やTRPV1を用いて手足の感覚刺激と呼吸の反応性を調べており、TRPV1では呼吸促進が見られるが、TRPA1では呼吸抑制がみられた。また、呼吸-体動の関連性においては、リズム形成能を持つ5-HTにより胎動性活動と呼吸活動の相互関係が強化し、胎動性により呼吸活動が誘発されるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分担研究者であり、胎仔の睡眠覚醒リズムを調べるための装置を開発する予定であった山中章弘先生が中国に研究拠点を動かしたため、その関係の研究が遅れてしまっている。 この実験計画は見直しをして、ゼブラフィッシュやげっ歯類の実験計画において、感覚と運動との関連性という視点にTRPA1やTRPV1といった物質の反応性を見る事を加えて、少し研究の計画を変更しているので、全体的にはやや遅れている状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ゼブラフィッシュの研究やげっ歯類の研究においては、次のステップである光学的測定法も使用して、ネットワークレベルでの研究を進め、胎動性神経回路と呼吸性神経回路の発達における相互作用について検討を進める。感覚-運動連関という視点も加えて、今後はTRPA1やTRPV1との関連性について、胎動性活動と呼吸生活動の発達過程における差異などについても研究を進める予定である。
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