Project/Area Number |
22K06896
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48040:Medical biochemistry-related
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
堀家 慎一 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 准教授 (40448311)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | エピゲノム編集 / レット症候群 / MeCP2重複症候群 / DNAメチル化 / エピジェネティクス |
Outline of Research at the Start |
レット症候群(RTT)は,主に女児に発症するX連鎖性顕性遺伝病で,乳児期から重度の進行性発達障害をきたし,生涯を通じて治療と療育が必要であり医療ニーズが高いが,未だ有効な治療法がない。そこで本研究では,「X染色体不活化」により不活性化されてはいるが正常な患者の遺伝子を活用するという新たな発想によるRTT治療法の確立を目指す。エピゲノム編集技術を用い,不活性化されている正常なMeCP2遺伝子のエピゲノムを改変し,活性化することで,生理的な遺伝子量に近づける事が可能となる。これにより,RTTに革新的治療をもたらすだけでなく,エピゲノム機構が関連する他の疾患治療への応用を提供することができる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
レット症候群(RTT)は,主に女児に発症するX連鎖性顕性遺伝病で,乳児期から重度の進行性発達障害をきたし,生涯を通じて治療と療育が必要であり医療ニーズが高いが,未だ有効な治療法がない。MeCP2が原因遺伝子であり,これらの遺伝子産物の機能的喪失により発症する。いずれの遺伝子もX染色体上にあり,「X染色体不活化」の影響を受け臨床症状の軽重に影響する。また,これら遺伝子のゲノムコピー数の増加はMeCP2重複症候群という重篤な疾患を引き起こすことから,近年発展が目覚ましい遺伝子治療の実現には至っていない。そこで本研究では,「X染色体不活化」により不活性化されてはいるが正常な患者の遺伝子を活用するという新たな発想によるRTT治療法の確立を目指す。本年度は,複数のgRNAの組み合わせによって最大の脱メチル化効果をもたらすものを見出した。また,MeCP2遺伝子の発現に寄与する最小脱メチル化領域を絞り込み,治療に最適なgRNAの組み合わせを決定した。一方,ターゲットとする領域は,ヘテロクロマチン化した不活性化X染色体であり,dCas9-TETのアクセスの効率が悪いことも影響し,期待した脱メチル化率を誘導できなかった。そこで,最近,Cas9のアクセスビリティを向上させるTFDP1遺伝子のノックダウンを併せてエピゲノム編集を行う方法を模索している。また,TFDP1遺伝子以外にもヘテロクロマチンを緩める分子が複数同定されており,それらも含めて不活性化X染色体のアクセスビリティを向上させる方策を検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数のgRNAの組み合わせによって最大の脱メチル化効果をもたらすものを見出したことや,また,MeCP2遺伝子の発現に寄与する最小脱メチル化領域を絞り込み,治療に最適なgRNAの組み合わせを決定したことなどから概ね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでのin vitroの系で確立したMeCP2遺伝子の脱メチル化による再活性化をRTTモデルマウスとして,Mecp2遺伝子欠損雌マウスを用いて検証する。また,RTTのiPS細胞のドーパミンニューロンへの分化系において,MeCP2タンパク質/CDKL5タンパク質の発現回復,及びRTT由来iPS細胞のドーパミンニューロンへの分化が正常型に戻るかを検討する。
|