Project/Area Number |
22K06898
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48040:Medical biochemistry-related
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
長岡 仁 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20270647)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 克哉 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60733508)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | IRF4 / 形質細胞種 / 転写制御 / TN3 resolvase / dCas9 / DNA組換え / 細胞分裂 / 人工遺伝子 / 遺伝子組換え |
Outline of Research at the Start |
生物個体が受精卵から成体へと成長しその寿命を終えるまで、体細胞は分裂を繰り返しながら様々な細胞に分化する。ヒトの体細胞はおよそ40-50回ほど分裂していると推定できるが、様々な系譜の細胞につき、分裂の経緯を観察し体系的に比較する手段は無い。本研究では、配列特異的かつ細胞周期依存的なDNA組換え酵素を人工的に作成し、その酵素に依存する、人工標的遺伝子のDNA欠失を指標とすることで、ある時点からの細胞の分裂回数を推定できるというシステムを開発する。本研究により、正常/異常状態での個体発生の細胞系譜とその異常をより詳細に解析していくための基盤が得られると期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、さまざまな細胞において、細胞分裂数をモニタリングできる人工構築を開発することを目的とする。そのため、新たに、認識配列を容易に操作でき、多様な配列特異的組換えを誘導できる人工酵素を作成することが第一目標である。これに向け、TN3 resolvaseのcatalitic domainおよびdCas9を用いた人工酵素の組み換え効率上昇についての条件設定を行なっているが、未だ公表できる段階に至っていない。 細胞カウントシステム開発と並行し、細胞分裂回数という新たな指標で疾患を理解する準備として疾患モデル開発を進めるために、形質細胞種発症に重要とされる転写因子IRF4の変異体解析を行った。IRF4は、B細胞の分化・機能、液性免疫応答、造血系腫瘍の発症に関与する重要な因子である。本転写因子は単独ではDNA結合力が弱く、ホモ二量体やヘテロ複合体を形成することで遺伝子発現を制御する。IRF4のホモ二量体化とヘテロ複合体形成のメカニズムを明らかにするために、変異体解析を行った。解析の結果、ホモ二量体化とヘテロ複合体形成に関与するアミノ酸残基を特定し、さらに、これらのアミノ酸残基の変異がIRF4の活性に与える影響を調べた。その結果、変異によってホモ二量体化のみ増強される変異を見出した。これらの知見は、IRF4のホモ二量体が強く関与する形成細胞腫の病態モデルの作成に寄与すると考える。 以上の成果は、当初の実施計画から外れるが、将来の腫瘍発生モデルにでの細胞の分裂状況を比較検討するという全体的な目的に大枠で沿うものと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大腸菌内における組み換え効率をGFP蛍光強度の低下で検出する組換え標的プラスミドの系を作成し、酵素のリンカー部分及びガイドRNAの位置の最適化を完了する予定であった。実際に組み換え標的プラスミドの作成を終え、先行研究で高率に組替えを起こすとされるポジティブコントロール酵素を導入して作用させると、有意にGFP強度の低下が検出され、さらにPCRを用いて組み換えが起きていることを確認できた。そのため、計画に従い人工酵素の最適化に取り掛かったが、問題点として原因不明で大腸菌の増殖スピードが著しく遅くなることに加えて、GFP強度低下の度合いが条件別に明瞭に比較できるほど顕著でないことで、判定が困難であった。そのため、システムの再検討を行う必要が生じた。詳細に検討すると、組換え済みプラスミドの頻度が最大でも10%以下であり、それでもGFP低下を見る原因は組換えプラスミドDNAの分子数自体が減少している可能性が示唆された。さらに詳細に検討すると、組換え標的プラスミドの組換え配列部分に欠失のあるプラスミドが生じて混在状態にあり、そのことが主要な原因であると推定できた。そのため、繰り返し配列を持つプラスミドが欠失等起こしにくい大腸菌系を用いる等の変更や試行錯誤が必要となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画は多少遅延している状態であるが、組み換え効率に問題があり、組み換え自体は検出されている。大腸菌システムは、簡便かつ効率的なアッセイシステムとして採用しているので、ストレインの変更など、考えられる可能性を潰していく予定である。それと同時に、真核細胞の中での組み換えが最終目標であるので、並行して、真核細胞への導入をすすめ、多少煩雑になると予想されるが、真核細胞での最適化を一足飛びに進めていく方法も試みていく予定である。 また、多少の遅延があるため、主目的であるシステム開発後にそれを用いて解析する免疫系のモデル動物開発についても並行して進め、開発後のタイムラグの低減に努めたい。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)