Project/Area Number |
22K06917
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49010:Pathological biochemistry-related
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
森 一憲 昭和大学, 薬学部, 准教授 (60349040)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日暮 大渡 昭和大学, 薬学部, 助教 (50882487)
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 教授 (60245876)
石川 文博 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60515667)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | integrin beta4 / Rac1 / 細胞接着 / 転移抑制 / Integrin β4 |
Outline of Research at the Start |
転移進行癌の治療法は十分に確立されておらず、多くの場合予後不良である。予後改善のためには転移を抑制することが必須であり、転移機構の詳細を理解することが極めて重要である。申請者らは浮遊した癌細胞の接着能について研究し、最近、正常細胞と癌細胞の比較から、癌細胞は接着喪失後も再び基質に接着できることを見出した。この再接着能は、接着分子Integrin β4 (β4) によって担われており、遠隔組織に到達した癌細胞が組織内に浸潤して定着するための足掛かりとなっていると考えられた。本課題では、浮遊状態の癌細胞でどのようにβ4が安定化されるかを明らかにし、その機構を人為的に操作して転移の抑制を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、転移過程のうち「癌細胞が体循環に移行してから遠隔組織に定着するまでの過程」に着目し、癌細胞は浮遊した後も再び基質へ接着できる『再接着能』を有していること、またRac1活性によりintegrin b4 (b4) の分解が抑制され、分解を免れたb4が癌細胞の遠隔組織への接着を可能にしていることを見出した。 本課題では、Rac1活性によるb4の分解抑制機構を明らかにするため、Rac1の下流でb4の分解を抑制的に制御するRac1エフェクター分子の同定を試みた。細胞膜上のintegrin分子は、endocytosisにより取り込まれ、初期endosomeからlysosomeへ至る経路とリサイクル経路に分別される。この過程のうち、b4を含むendosomeのlysosome経路への分別について、siRNAと低分子阻害剤を用いた検討を行い、Rac1下流にあるRab7 GTPaseのGTPアーゼ活性化タンパク質TBC1D2Aが、b4の分解を抑制するRac1エフェクター分子であることを明らかにした。さらに、Rac1はアクチン関連タンパク質(Arp)2/3依存的に、リサイクル経路へ輸送を促進することが示唆された。 本課題の成果は、再接着能による転移制御機構として、新たな知見を与えるだけでなく、転移抑制のための新たな治療戦略の提案につながると期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Rac1下流のエフェクター分子の中から、b4の分解抑制に働く分子を特定したため、おおむね順調に進展しているとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
体循環後の癌細胞の『再接着能』に焦点を当てた検討を引き続き行う。転移促進に働くRac1シグナル関連分子の抑制により、癌の転移を抑制できることを実証し、臨床応用可能な新たな手段の提案を目指す。
|