Project/Area Number |
22K06927
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49010:Pathological biochemistry-related
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
戸高 寛 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (80769662)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 筋再生 / 抗炎症 / ドネペジル / 筋ジストロフィー / 筋萎縮 |
Outline of Research at the Start |
我々は、これまでに、認知症治療薬ドネペジルの新たな薬効として筋再生増強作用および抗炎症作用を見出した。一方、筋ジストロフィーの増悪因子として筋再生能低下および慢性炎症が挙げられており、ドネペジルによる筋ジストロフィーの病態改善が期待される。本研究では、筋ジストロフィーモデルマウスにドネペジルを単独投与、および ドネペジルと現行治療薬を併用投与し、病態改善効果を明らかにする。さらには、プロテオーム解析を行い、ドネペジル受容から筋再生増強作用および抗炎症作用までのシグナル伝達経路を明らかにする。これらにより、ドネペジルによる筋ジストロフィーの新規治療法の開発および治療効果の分子基盤の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、これまでに、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジルの新たな薬効として骨格筋における筋再生増強作用および抗炎症作用を見出している。筋ジストロフィーの増悪因子として、筋再生能低下および慢性炎症が挙げられ、ドネペジルによる治療応用が考えられた。本研究では、ドネペジルの筋再生増強作用および抗炎症作用の分子機序の解明および筋ジストロフィーに対する病態改善効果の検証を目指す。 ドネペジルの筋再生増強作用の機序を解明するため、ゲノム編集によりドネペジル予測受容体をノックアウトした筋芽細胞株を樹立した。この細胞を用いて、ドネペジル予測受容体が筋再生に影響するかを検証した。その結果、ドネペジル予測受容体ノックアウト筋芽細胞において筋再生が顕著に抑制された。さらに、この細胞株にドネペジルを投与しても筋再生は促進されなかった。これらの結果は、ドネペジル予測受容体がドネペジル受容体であることおよび筋再生を調節することを示唆している。 筋ジストロフィー病態におけるドネペジルの筋再生増強作用および抗炎症作用を調べるために、Duchenne型筋ジストロフィーモデル(ジストロフィン遺伝子にナンセンス変異がある)マウスの繁殖を行った。繁殖した筋ジストロフィーモデルマウスにドネペジルの短期間の投与を行った。生化学解析により筋分化調節因子を測定したが、ドネペジルの短期投与は筋分化調節因子の発現に影響を与えなかった。現在、ドネペジルの短期投与が筋ジストロフィーモデルマウスの病態を組織レベルで改善しているかを検証するため、免疫組織学解析を進めている。加えて、筋ジストロフィーモデルマウスへのドネペジルの長期投与を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究により、培養細胞株においてドネペジル受容体のノックアウト細胞を安定的に樹立するゲノム編集技術を確立した。これにより、ドネペジルによる筋再生増強作用のシグナル伝達経路の解明へのアプローチが可能となった。現在、筋芽細胞と同様にマクロファージ細胞株のドネペジル受容体ノックアウトを行っているが、細胞増殖が遅いためドネペジルの抗炎症作用の機序解明に向けた解析の進捗に遅れが生じている。 ドネペジルによる筋ジストロフィーに対する病態改善効果を検証するため、筋ジストロフィーモデルマウスの繁殖に取り組んだ。今年度に筋ジストロフィーモデルマウスの繁殖に成功したが、一定の個体数を確保するまでに時間を費やしたことで実験計画に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
ドネペジルの筋再生増強作用のシグナル伝達経路の解明するために、筋芽細胞株におけるドネペジル受容体のノックアウト細胞を用いてRNA seqによる網羅的解析を行う。さらに、ドネペジルの抗炎症作用の機序を解明するために、マクロファージ細胞株におけるドネペジル受容体ノックアウト細胞の樹立を目指す。さらにマクロファージ細胞株におけるドネペジル受容体ノックアウトに成功後には、筋芽細胞株と同様にRNA seq解析を行い、ドネペジルによる抗炎症作用のシグナル伝達経路の解明を目指す。また、ドネペジルによる筋ジストロフィーへの病態改善効果を検証するため、筋ジストロフィーモデルマウスへのドネペジルを短長期投与し、組織学解析および生化学解析を行う予定である。
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