Project/Area Number |
22K06939
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中黒 匡人 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (00718356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 俊孝 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (90276709)
多田 雄一郎 国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (70292430)
加納 里志 北海道大学, 大学病院, 講師 (00374421)
浦野 誠 藤田医科大学, 医学部, 教授 (70308881)
西尾 直樹 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (90732719)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 唾液腺 / 唾液腺腫瘍 / 唾液腺癌 / 治療 / 癌 / 高悪性度転化 |
Outline of Research at the Start |
唾液腺高悪性度転化癌は、通常型の低悪性度の唾液腺癌を発生母地として、その一部が高悪性度の未分化癌への転化をきたす予後不良の病態である。しかし、コンセンサスの得られた明確な診断基準は確立されておらず、標準的治療法も確立されていない。本研究では、蓄積した約50例の高悪性度転化癌の標本を用いて、病理組織学的、免疫組織化学的アプローチ、コピー数解析および網羅的遺伝子解析などの多面的な解析から、高悪性度転化癌の診断基準の確立、腫瘍発生機序の解明、免疫逃避分子機構の解明を目指す。本研究により得られた知見は、高悪性度転化癌の新たな治療戦略につながることが期待され、臨床的に意義深いものとなると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
唾液腺高悪性度転化癌は、低悪性度の唾液腺癌を発生母地として、その一部が高悪性度の未分化癌への転化をきたした予後不良の腫瘍である。非常に希少な腫瘍だが、多施設共同研究の過程で、これまでに本研究の対象となる約50例の高悪性度転化癌症例の抽出を終えている。それぞれの症例を組織学的な再評価し、さらにp53やKi-67などドライバー遺伝子異常や増殖マーカーに相当する免疫組織化学染色もおこなった。その上で、高悪性度転化癌の診断を再確認し、解析用のコホートを確立した。高悪性度転化癌の多数例での報告はこれまでになく、さらに病理診断の再評価も経ているために、非常に解析価値の高いコホートとなった。 網羅的遺伝子解析などに必要なDNAは、低悪性度成分と高悪性度成分とに分けてマクロダイセクションを行い、抽出が完了している。双方の成分の比較はこれまで免疫染色を用いた解析にとどまっており、網羅的遺伝子解析を含めた解析は、高悪性度転化癌の病態解明に非常に有意義であると考えられる。抽出後のDNAを用いて変異解析、コピー数解析、メチル化解析を実施し、解析は約80%の症例で終了している。また免疫微小環境の解析のために、PD-L1をはじめとした免疫染色も実施され完了している。 今後は次世代シークエンサーで得られたコピー数、メチル化の解析結果を基に、低悪性度成分と高悪性度成分の比較し、高悪性度転化癌の発生経路などを解析する予定である。現段階では、高悪性度転化癌の低悪性度成分においても高悪性度成分と同様のコピー数異常がみられるという知見が得られている。このことは、組織学的に低悪性度の成分であっても、既に高悪性度転化を来す因子が認められることを示唆し、コピー数異常が予後因子となる可能性を含めてさらなる解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
あらかじめ抽出されていた約50例の高悪性度転化癌症例の症例に対し、組織学的な再評価、さらには免疫染色などの評価を行ったうえで、解析用のコホートを確立できた。網羅的遺伝子解析などに必要なDNAは、低悪性度成分と高悪性度成分とに分けてマクロダイセクションによる抽出が完了しており、次世代シークエンサーを用いたコピー数解析、変異解析、メチル化解析が終了している。その結果を基に現在論文を執筆中である。遺伝子解析やPD-L1などの免疫染色も終えており、そちらの結果を踏まえ、最終的なデータの調整と論文ぴ執筆を行う予定である。以上のように当初の予定通り、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
主な解析は終了しており、今後次世代シークエンサーで得られた結果を裏付けるため、追加の免疫染色やFISH解析を行う予定である。
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