Project/Area Number |
22K06941
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山元 英崇 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30404073)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 骨腫瘍 / 軟骨肉腫 / メチル化 / IDH / 5-hmC / 骨巨細胞腫 / 骨分化 / 転写因子 / ヒストン / エピゲノム |
Outline of Research at the Start |
骨腫瘍において、病態や悪性度に関与する骨分化異常のメカニズム(例:骨巨細胞腫におけるヒストンH3F3A遺伝子変異と骨分化抑制)に関しては不明な点が多い。本研究課題では、骨腫瘍(骨巨細胞腫や骨肉腫等)の臨床検体や培養細胞を用いて、メチル化解析、ChIP-sequence等を行い、ヒストン遺伝子変異、エピゲノム異常と骨分化制御機構の関係を明らかにし、病態の解明とともに、新しい診断補助マーカーや治療標的候補を同定することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
骨腫瘍の発生・進展とメチル化異常のモデルとして、軟骨肉腫におけるメチル化関連マーカーに注目し、解析した。 軟骨肉腫は高頻度にIDH1/2変異を有することが知られている。同じくIDH変異を有する脳グリオーマにおいては、IDH変異蛋白はTCAサイクルの中間体であるα-ketoglutaric acid (α-KG)を2-hydroxygrutarate (2-HG)に変換させる。2-HGはTET2の機能を阻害し、5-methylcytosine (5-mC)から5-hydroxymethylcytosine (5-hmC)への変換が抑制される。その結果、5-mCが蓄積し(相対的に5-hmC量は低下)、DNAのメチル化が亢進すると考えられている。 今回の軟骨肉腫の検討では、免疫組織化学法にて、様々な程度に5-hmCの発現が観察されたが、5-hmC低発現は、高い組織学的グレードや予後不良と相関していた。一方、5-hmC高発現は、TET2高発現と相関していた。 これらの結果から、軟骨肉腫において、TET2を介する5-mCから5-hmCへの変換がうまく機能している場合に比べて、TET2の阻害により5-mCから5-hmCへの変換が抑制されメチル化が亢進している場合は、軟骨肉腫の生物学的悪性度が増している可能性が示唆された。今後は、具体的はメチル化標的遺伝子やパスウェイ異常について更なる解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に示した通り、軟骨肉腫において、メチル化異常や悪性化進展と密接な関係が示唆され、ドライバー変異であるIDH遺伝子の機能異常の特性から説明しうる結果が得られた。研究成果の一部は学会にて報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
軟骨肉腫におけるTET2や5-hmCの発現と予後やグレードとの相関を示すことができたが、具体的なメチル化の標的遺伝子については不明な点が残されている。今後は、メチル化アレイ等を用いて、具体的はメチル化標的遺伝子やパスウェイ異常について更なる解析を進め、さらに、異なる組織学的グレード成分ごとの違いについても検討する予定である。
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