Project/Area Number |
22K06951
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
里見 介史 杏林大学, 医学部, 講師 (10633977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義岡 孝子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 病理診断部, 部長 (50381182)
高見 浩数 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50548625)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 人体病理 / 中枢神経系腫瘍 / DNAメチル化 / 網羅的発現解析 |
Outline of Research at the Start |
脳腫瘍は予後不良であり、正確な病理診断のために遺伝子―形態統合診断が導入された。しかし、小児脳腫瘍は遺伝子変異だけでは最終診断には至ることができない症例が経験される。近年、中枢神経系腫瘍におけるDNAメチル化分類の有用性が示されつつある。本研究では、小児脳腫瘍の臨床検体を用いて、教師なし機械学習と転移学習を応用したDNAメチル化解析を行い、従来の組織形態学的解析と遺伝子検索にDNAメチル化解析を加えた、治療奏効性や予後の予測に資する新しい小児脳腫瘍分類の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
DNAメチル化解析を組織形態学的解析と遺伝子検索に統合し、治療奏効性や予後の予測に資する新しい小児脳腫瘍分類を策定するため、小児脳腫瘍及び成人に発生した小児型脳腫瘍のDNAメチル化プロファイルによる特徴づけを行なった。 Illumina Infinium Methylation EPIC BeadChip arrays (Illumina, Inc., San Diego, CA, USA)によって取得されたゲノムワイドDNAメチル化アレイデータから、近年、新しい脳腫瘍分類法として用いられるDNAメチル化分類を、ドイツがんセンター(Deutsches Krebsforschungszentrum, DKFZ)が公開するウェブツール(DKFZ Classifier) を用いて取得した。 また、ロングリードシークエンス技術である、ナノポアシークエンス(MinION, Oxford Nanopore Technologies, Oxford, UK)を用いてバイサルファイト処理なしにDNAメチル化情報を取得した。 これらのデータを用いて、DNAメチル化プロファイルを可視化するために、非線形性次元削減法を併用して、既知の中枢神経系腫瘍プロファイルとの類似性を明らかにし、詳細なゲノムワイドコピー数解析を行った。バイオインフォマティクス解析は、既に確立されていたR (RFoundation for Statistical Computing, Vienna, Austria) にminfiやRtsneを含む複数の解析パッケージを組み合わせた解析パイプラインを用いた。 上記、DNAメチル化解析から、中枢神経系腫瘍には稀有な遺伝子異常が示唆される所見が得られ、さらに詳細な解析のため網羅的発現解析により新規融合遺伝子を検索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存のアーカイブ検体から、形態学的に診断困難で、各種遺伝子解析によっても診断を確定できない症例を検索した。既に10例でDNAメチル化解析を施行し、そのDKFZ classifier結果と非線形次元削減法による評価を完了した。 いずれの手法でも既知の腫瘍とは合致しないか、合致しても矛盾のある結果が得られた。現 在、網羅的発現解析を行い、融合遺伝子解析を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的発現解析から、新規融合遺伝子を含む遺伝子異常が同定された。形態学特徴に着目して詳細な検討を追加し、DNAメチル化プロファイルの比較、同融合遺伝子に関連する既知の異常を有する腫瘍との比較解析を行い、英文論文として報告する。 現行のDNAメチル化解析には二つの問題点がある。一つはバイサルファイト処理が必要な点である。バイサルファイト処理は化学的な修飾作用を利用したDNAメチル化状態の検索であり、少なからずアーチファクトが加わる。アーチファクトのないDNAメチル化データの取得のためには、バイサルファイト処理なしにメチル化状態を知ることができるナノポアシークエンスが望ましい。二つ目はDNAメチル化アレイ解析に、事実上、解析プラットフォームが限定されていることである。腫瘍分類に必要とされるメチル化情報は1000-10000か所のCpGサイト程度であり、本研究の目的のために使われないデータが少なくない。より効率的な低コストのデータ取得のために、カスタム性に優れた解析プラットフォームの確立を目指す。 併せて現在までの解析パイプラインをウェブベースで半自動化するための解析システムの構築を目指し、オンプレミス解析サーバーの拡充や大規模計算機(SHIROKANE)の使用を検討する。
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