Project/Area Number |
22K06953
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
増田 達也 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (20934590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹澤 昌邦 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (00569915)
井坂 光宏 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (20838700)
河田 卓也 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (30792494)
大出 泰久 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (40631552)
小野 哲 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (50441027)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 遺伝子変異量 / 肺腺癌 / 人工知能 / デジタル病理画像 / 深層学習 / TMB / AI / 免疫チェックポイント阻害薬 / PD-L1 |
Outline of Research at the Start |
肺腺癌組織ヘマトキシリン・エオジン hematoxylin and eosin(HE)染色切片をWhole Slide Imaging (WSI)にして、腫瘍の形態学的特徴とTMBの多寡をAIに深層学習させることで、肺腺癌のTMB高値群を自動予測する人工知能を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
非小細胞肺癌に対する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の使用においては、腫瘍細胞におけるPD-L1 の高発現と生存期間が正に相関することが示されている。しかしながら、PD-L1発現が陰性でもICIによる治療で奏功が得られることが報告されており、PD-L1の発現の多寡のみではICIによる治療効果予測は充分ではない。遺伝子変異量高値群(TMB-H)では、腫瘍特異抗原(ネオアンチゲン)の発現が高くT細胞の認識を受けやすくなることから、ICIの効果が高いと考えられており遺伝子変異量(TMB)はICIの治療効果を予測する新たなバイオマーカーとして期待されている。本研究では、人工知能(AI)を活用し、肺腺癌の病理組織学的情報を分析、処理することで、肺腺癌のTMB-Hを自動予測するシステムの構築を目的とした。これに関連し、本年度においては下記の研究を行った。 肺腺癌の手術症例541例のTMBを算出し、TMBの分布についてヒストグラムを作製した。今まで報告されている欧米のものと異なり、ヒストグラムは二峰性分布を示したので、統計学的解析の上で、その分布の谷のTMBの値8.8 mut/Mbをカットオフ値に設定し、TMB>8.8 mut/MbをTMB-H、TMB≦8.8を遺伝子変異量低値群(TMB-L)と定義した。症例中、TMB-Hは60症例、TMB-Lは481例認めた。そのうち、TMB-H45症例(ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色切片122枚、TMB-L400症例(HE染色切片388枚)を病理デジタルスライド化にすることが可能であった。現在、腫瘍領域のアノテーションを行い、トレーニングセット(TMB-H/L 102/308枚)をAIに学習させ、テストセット(TMB-H/L 20/80枚)を用いて閾値50%で設定し肺腺癌のTMB-Hを自動予測するモデルを構築している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、TMB-H自動予測モデルの構築に必要な病理スライドの選別、およびそのスライドのデジタル病理画像化(Whole slide imaging (WSI))が可能であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、深層学習、アノテーション領域、解像度などの設定を調整し、AIによる解析の最適化を行う。そして、2018年10月から2021年4月までの肺腺癌の手術症例320例を追加で全エキソン解析し、TMBの多寡を算出してTMB-H/L症例病理スライドをWSI化する。以上のスライドを学習・テストセットに組み込むことでより実臨床に即した精度の高いTMB-Hを予測するモデルを構築する。さらに、TMB-Hと判定している領域を病理学的に評価し、偽陽性/偽陰性と判断された症例を経験豊富な病理医と病理学的に検討することで、TMB-H肺腺癌の詳細な組織学的特徴(細胞質の大きさ、核異型、腫瘍間質などの形態学的特徴)を解明する。 また、遺伝子発現解析において、TMB-Hに有意に関連する遺伝子発現を抽出、免疫組織化学染色とAIを用いて定量化し、深層学習に組み込むことで、さらなる予測能上昇を試みていく。
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