Project/Area Number |
22K06957
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 素子 金沢大学, 医学系, 准教授 (70225895)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 病理学 / 原発性胆汁性胆管炎 / 自己免疫性疾患 / 細胞老化 / cGAS-STING経路 / PD-L1 / ライトシート顕微鏡 / 組織透明化 / 胆管細胞 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,老化細胞制御による新しいPBC治療法の開発基盤となる基礎的研究を行う。また, 現在明らかでない, SASP産生の鍵であるcGAS (cyclic GMP-AMP synthase)-STING (stimulator of interferon genes)自然免疫シグナル経路の関与, 老化細胞の表現型バリエーションとPBCの胆管病変, 病型やウルソデオキシコール酸(UDCA)治療反応性などとの関連を検討する。未だ謎の多いPBCの病態における老化細胞の特徴を明らかにして,制御することで,胆管再生や炎症・線維化軽減などに効果のある画期的な治療法開発に繋げることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
この研究課題では,老化細胞制御による新しい原発性胆汁性胆管炎(PBC)治療法の開発基盤となる基礎的研究を行う。また, 現在明らかでない, 胆管細胞老化におけるcGAS (cyclic GMP-AMP synthase)-STING (stimulator of interferon genes)自然免疫シグナル経路の関与, 老化細胞の表現型バリエーションとPBCの胆管病変, 病型やウルソデオキシコール酸(UDCA)治療反応性などとの関連を検討する。 2023年度は, 以下の検討①-③を行った。 ①PBC肝組織における細胞老化の特徴と細胞老化の表現型バリエーション, 臨床病理学的項目との関連について, 対照疾患肝との比較検討を進めた。その結果,PBCでは胆管細胞老化に不均一性があり, 老化した肝内小型胆管の一部は, PD-L1を発現するが, 老化細胆管細胞にはPD-L1発現が見られないことが明らかになった(国際学会[AASLD2023]にて発表, 英文論文投稿準備中) ②胆管細胞老化におけるcGAS-STING経路活性化の関与について, 培養胆管細胞を用いて, cGAS, STING発現, cGAS-STING経路活性化指標(IFN-β, Ifit3)発現, PD-L1発現, STING発現抑制効果などの検討を進めた。培養老化胆管細胞では, PD-L1, STING, SASP発現が有意に亢進し, STING抑制により, PD-L1発現, SASP発現亢進, 細胞老化は有意に低下することが明らかになった (英文論文投稿準備中)。 ③組織透明化手法とライトシート顕微鏡を利用して, PBCと対照疾患肝, 正常肝の3次元(3D)胆管構築と胆管細胞老化の相互関連を検討した。PBCでは, 胆管成分が減少して, 3D構築が変化することが明らかになった (病理学会総会2024にて発表)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は, PBC肝組織における細胞老化の特徴と細胞老化の表現型バリエーション, 臨床病理学的項目との関連について, 対照疾患肝との比較検討を進めた。その結果,PBCでは胆管細胞老化に不均一性があり, 老化した肝内小型胆管の一部は, PD-L1を発現するが, 老化細胆管細胞にはPD-L1発現が見られないことが明らかになった。成果の一部を, 国際学会[AASLD2023]にて発表することができた(英文論文投稿準備中)。また, 胆管細胞老化におけるcGAS-STING経路活性化の関与について, 培養胆管細胞を用いて検討を行い, 老化胆管細胞では, PD-L1, STING, SASP発現が有意に亢進し, STING抑制により, PD-L1発現, SASP発現亢進, 細胞老化は有意に低下することを明らかにした (英文論文投稿準備中)。さらに, 組織透明化手法とライトシート顕微鏡を利用して, PBCと対照疾患肝, 正常肝の3次元(3D)胆管構築と胆管細胞老化の相互関連を検討した。PBCでは, 胆管成分が減少して, 3D構築が変化することが明らかになった (病理学会総会2024にて発表)。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は, ①PBC肝組織における細胞老化の特徴(表現型バリエーションやcGAS-STING経路の関与, PD-L1発現との関連)とその意義についての検討をさらに進める。また, 組織透明化とライトシート顕微鏡を利用して,胆管細胞老化と胆管, 血管の3次元構築の関連を明らかにする。さらに, ②当教室で株化したヒト, ラット, マウス培養胆管細胞, miR-506導入胆管細胞などを用いて, 老化細胞の特徴(表現型バリエーションやcGAS-STING経路の関与)の検討と, 老化細胞除去薬やcGAS-STING経路制御の効果について検討を進める。
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