Project/Area Number |
22K06965
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
中里 宜正 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学病院, 教授 (10372921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 和之 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40444004)
千田 雅之 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70333812)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 肺腺癌 / リンパ濾胞 / T濾胞ヘルパー細胞 / PD-L1 / 樹状細胞 / 非小細胞肺癌 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,非小細胞肺癌の内部に形成されるリンパ濾胞に着目し,その臨床病理学的な意義を明らかにするとともに,腫瘍内におけるリンパ濾胞形成機序について,癌間質を構成する他の因子,癌関連線維芽細胞などとの関係から解明することである.
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Outline of Annual Research Achievements |
免疫チェックポイント分子を標的としたprogrammed death-1(PD-1)阻害薬は、腫瘍組織浸潤リンパ球との関連が報告されている。我々は、肺扁平上皮癌における腫瘍組織内リンパ濾胞およびTリンパ球について報告した [Thorac Cancer 10: 219-225, 2019]。肺腺癌においても腫瘍内にリンパ濾胞増生を伴ったリンパ球浸潤がみられることから、 Bリンパ球も関わる癌微小環境が形成されていると推察している。肺腺癌における腫瘍内リンパ濾胞について、分布、量、樹状細胞の構造、T濾胞ヘルパー細胞の分布を検討し病理学的所見、PD-L1の発現率との関連を明らかにすることである。 肺腺癌の連続57例を対象とし、切除材料の腫瘍最大割面における形態像(HE標本)、免疫染色結果から判定した。リンパ濾胞マーカーはCD10、 CD20、 CD21、 PD-1を、腫瘍間質マーカーはFAP、CD34、SMAを用いた。PD-L1は肺癌患者におけるPD-L1検査の手引き書(第1.0版、2017年)に従って判定した。 リンパ濾胞は、腫瘍の辺縁部に形成される傾向があり、予後不良の組織亜型ほど腫瘍の中心部にリンパ濾胞の形成がみられた。樹状細胞のメッシュワークは、腫瘍辺縁部(r=0.745)、中心部(r= 0.852)ともに形成され、T濾胞ヘルパー細胞の発現にも相関していた(r=0.940)。腫瘍間質の割合は、腺房細胞型の割合(r=0.280)、低分化成分の割合(r=0.294)、線維芽細胞の増生(r=0.294)、PD-L1の腫瘍細胞発現率(r=0.299)と相関していたが、死亡群と生存軍での優位差はp>0.05で、証明はできなかった。 肺腺癌は腫瘍内のリンパ濾胞形成、樹状細胞メッシュワークの形成、T濾胞ヘルパー細胞の発現が、低分化成分を伴った肺腺癌の腫瘍進展過程に関わっている可能性が示唆された。また腫瘍間質は、予後不良な組織亜型とPD-L1の発現にも関わっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、2022~2023年度前半で、標本作製と病理所見の評価および、免疫組織化学染色と染色の評価を終えている。リンパ濾胞マーカーはCD10、CD20、CD21、 CD30、PD-1、関連線維芽細マーカーはSMA、CD34、fibroblast activation protein(FAP)を用いる。PD-L1は肺癌患者におけるPD-L1検査の手引き書(第1.0版,2017年3月27日)に従って判定が完了している。2023年度後半で、統計ソフトを使用して、予後曲線と、独立因子の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍内リンパ濾胞を、分布、量、大きさ、樹状細胞の網目構造、centroblastとcentrocyteの割合、濾胞内のT濾胞ヘルパー細胞で分類したので、腫瘍内の分布により、PD-L1の発現状態、臨床病理学的所見、予後との関連性を検討する。集積症例の予後調査は行った。 腫瘍関連リンパ球に関して、B細胞を中心細胞、中心芽細胞,マントル細胞,辺縁帯細胞に,T細胞は濾胞ヘルパーTにそれぞれ分類し評価した。癌関連線維芽細胞マーカーの発現状態を評価する。それぞれリンパ濾胞との関連を検討し、統計ソフトを使用し、生存に寄与する因子を抽出する。
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