Project/Area Number |
22K07008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
長尾 元嗣 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10468762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 明 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (30500011)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | β細胞 / インスリン分泌 / CD36 / Oikawa-Nagaoマウス / 糖尿病 / インスリン分泌機構 / 膵ランゲルハンス島 / 2型糖尿病 / インスリン分泌不全 / 膵β細胞 |
Outline of Research at the Start |
2型糖尿病の発症基盤の一つである「インスリン分泌不全」の出現機序は十分に解明されていない。申請者らは最近、新規糖尿病モデルOikawa-Nagao(ON)マウスを開発し、その表現型解析から「膵β細胞でのCD36発現異常」という、2型糖尿病患者にも共通してみられる新知見を得た。本研究では、「膵β細胞でのCD36発現異常」が「インスリン分泌不全」の出現機序になるという2型糖尿病の新たな病理仮説をONマウスを使って多角的に検証し、その成因を含めた全体像を示すと共に、生体レベルでの「インスリン分泌不全」や「糖尿病発症」との関係を検証することで、2型糖尿病の発症基盤の出現機序の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画書に基づき、今年度も、β細胞でのCD36発現異常がインスリン分泌機構に及ぼす影響と、CD36を標的としたβ細胞機能への介入に焦点を当てた解析を進めた。まずCD36を過剰発現させたINS-1細胞のRNAシーケンス解析を行い、CD36によって影響を受ける遺伝子群の同定を行った。次に、膵ランゲルハンス島(膵島)でのCD36高発現が確認されているOikawa-Nagao Diabetes-Prone(ON-DP)マウスを使い、同マウスで観察されるβ細胞機能の異常がCD36の発現異常に由来するかどうかを検討した。ON-DPマウスの膵島に対して、抗CD36抗体を用いた機能阻害試験を行ったところ、β細胞機能の一部に明らかな改善が見られ、β細胞の電子顕微鏡像を用いた解析でもこれを支持する結果が得られた。今後はCD36の機能阻害によってβ細胞機能が改善するメカニズムの解析を行う予定である。さらに、β細胞でのCD36の発現異常が、生体レベルでのインスリン分泌不全や糖尿病発症に関与するのかを検証するために、CD36遺伝子改変マウスの作成に着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、昨年度に引き続き、β細胞でのCD36発現異常がインスリン分泌機構に及ぼす影響と、CD36を標的としたβ細胞機能への介入に焦点を当てた解析を進めた。研究実績の概要に記したように、CD36を過剰発現させたINS-1細胞のRNAシーケンス解析を行い、CD36によって影響を受ける遺伝子群を同定することに成功した。次に、ON-DPマウスの膵島に対する抗CD36抗体を用いた機能阻害試験を実施したところ、in vitroでの実験条件においてβ細胞のCD36に対する介入効果が得られ、ON-DPマウスでみられるβ細胞機能の異常の一部が改善することがわかった。今後はその成果をもとに、CD36の機能阻害によってβ細胞機能が改善するメカニズムの解析を進める予定である。さらに、β細胞でのCD36の発現異常が生体レベルでのインスリン分泌不全や糖尿病発症に関与するのかを検証するために、CD36遺伝子改変マウスの作成に着手しており、ファウンダーマウスを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究実績の概要に記載した、CD36過剰発現INS-1細胞のRNAシーケンス解析や膵島レベルでのCD36の機能阻害実験の研究成果をまとめつつ、β細胞でのCD36の発現異常と生体レベルでのインスリン分泌不全や糖尿病発症との関連についての検証を進める。具体的には、今年度に得られたファウンダーマウスを利用して、CD36遺伝子改変マウスを作成し、耐糖能やインスリン分泌能、さらには高脂肪食投与時の糖尿病発症に関する表現型解析を実施する予定である。また、糖尿病状態においてβ細胞でCD36発現異常が発生する原因に関しても、β細胞株を用いた新たな試験を計画している。
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