一次包虫病巣モデルおよび活性化六鉤幼虫を利用したエキノコックス治療法と予防薬開発
Project/Area Number |
22K07048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49040:Parasitology-related
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Research Institution | Hokkaido Institute of Public Health |
Principal Investigator |
孝口 裕一 北海道立衛生研究所, その他部局等, 主幹 (50435567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠海 重裕 帝京大学, 医学部, 講師 (40796257)
日高 正人 北海道立衛生研究所, その他部局等, 研究職員 (10911381)
松山 紘之 北海道立衛生研究所, その他部局等, 研究職員 (80911396)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | エキノコックス / 多包条虫 / クチクラ層 / 薬剤開発 / アトバコン / 3-ブロモピルビン酸 / 抗エキノコックス薬 / 治療薬 / 六鉤幼虫 |
Outline of Research at the Start |
本研究では①酵素分解による病巣のクチクラ層を脆弱化させ薬剤吸収を向上させる治療法開発、②エキノコックスのエネルギー産生を司る、好気的・嫌気的呼吸鎖の両方を阻害する薬剤候補を組み合わせ、安全で効果的なヒトの治療薬の開発、③活性化させた六鉤幼虫を用いた培養系による予防薬開発を試みる。①~③と相互に関連した研究を実際に虫卵を用いた一次包虫病巣実験系を用いて展開し、新しい治療薬(法)の開発を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
エキノコックス(包虫)症は、感染した場合放置すれば死に至り、安全で有効な薬剤が無い。本邦においても年間20~30人の新規患者が報告され、新たな薬剤等の治療方法が生み出されないこは、流行地域の人々に健康上の脅威を与えているという明確な事実が存在する。 本課題では投薬時の本寄生虫の生存戦略の理解とヒトの治療を解決すべき最優先の問題と定め、①糖鎖分解酵素により病巣のクチクラ層を脆弱化し、薬剤吸収や宿主免疫による受傷性を向上させる治療法開発、②エキノコックスのエネルギー産生を司る、好気的・嫌気的呼吸鎖両方を阻害する薬剤候補を組み合わせた、安全で効果的なヒトの治療薬開発、③活性化させた六鉤幼虫を用いた培養系による予防薬開発を行うことを目的とした。 2022年(R4年)度、①当該寄生虫の中間宿主における病巣を作成した。マウスに虫卵を投与し、感染後7~16週までのシストを摘出、病理切片を作成・クチクラ層を観察した。また、摘出病巣に対して、クチクラ層を構成する糖鎖切断酵素を作用させた。その結果、クチクラ層に変化は見られなかった。そこで、摘出病巣の実組織を取り除くために、コラゲナーゼを、糖鎖構造破壊のために、コンドロイチナーゼを作用させた。前者の処理では実組織を溶解し、クチクラ層が露出する状態となり、後者の処理によりクチクラ層は僅かに脆弱化したように観察された。引き続き、クチクラ層の酵素学的処理による脆弱化を試みる。②について、我々が見出した抗エキノコックス薬候補である、アトバコンに加え、メフロキンおよび3-ブロモピルビン酸を併用し、当該寄生虫にin vitroで作用させた。その結果、嫌気条件下でアトバコンのみでは殺滅させられなかった当該寄生虫の原頭節を、完全に殺滅させることに成功した。③について、虫卵の活性化効率を上げるため、げっ歯類の胆汁を採集中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、ヒトの治療薬、治療方法および予防薬開発を推進するため、実際に虫卵を投与し、作成した病巣を用いて、直接酵素処理を行い、病巣を脆弱化させるという試みである。この試みに対して、実験系を確立させながら実組織を溶解し、薬剤が到達しやすい状態を作出することに成功した。また、薬剤候補群のin vitroでの効果判定により、好気的条件下では効果があるが、嫌気的条件下では効果がない抗エキノコックス薬候補である、アトバコンに、各種の薬剤を組み合わせることで、好気・嫌気両方の条件下において、良好なエキノコックス原頭節殺滅作用を明らかにすることに成功した。六鉤幼虫の活性化のため、市販のブタ胆汁に加え、げっ歯類の胆汁を集め、来年度以降、六鉤幼虫の活性化実験について研究を進める予定である。 これらのことから、2022(R4)年度の実施計画のとおり、おおむね順調に研究を進められたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年(R5年)度以降、引き続き①糖鎖分解酵素により病巣のクチクラ層を脆弱化し、薬剤吸収や宿主免疫による受傷性を向上させる治療法開発、②エキノコックスのエネルギー産生を司る、好気的・嫌気的呼吸鎖両方を阻害する薬剤候補を組み合わせた、安全で効果的なヒトの治療薬開発、③活性化させた六鉤幼虫を用いた培養系による予防薬開発を行うことを目的とし、①については摘出病巣の脆弱化のさらなる検討に加え、脆弱管による病巣の薬剤の吸収効率が上昇したかを検討する。②については、さらにアトバコンの嫌気条件下における抗エキノコックス作用を補助するため前年度に試したものの他に候補を見出していく予定である。③については、新鮮な虫卵が確保でき次第、げっ歯類の胆汁とブタ胆汁添加による、活性化効率の比較を行い、六鉤幼虫の活性化および培養に道筋をつける。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)