Project/Area Number |
22K07051
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49050:Bacteriology-related
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大久保 寅彦 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (90762196)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 眞二 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (40207882)
山口 博之 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (40221650)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | 微生物間相互作用 / レジオネラ / 繊毛虫 |
Outline of Research at the Start |
レジオネラは浴室の空気を介して肺炎を起こす病原菌である。これまではレジオネラとアメーバの共培養から病原性の検証が行なわれてきたが、その全容はまだ明らかではない。本研究では、レジオネラによって殺滅されてしまうユニークな繊毛虫Anteglaucomaと遺伝子組換えレジオネラの共培養実験を行ない、レジオネラがもつ未知の病原性因子の検出を行なう。得られた成果は将来的にレジオネラ感染症の制御につながると期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
(1)未知エフェクターの検出:前年度に引き続き、作出済みのトランスポゾン挿入変異Legionella pneumophila (Lp) 菌株と繊毛虫Anteglaucomaの共培養実験を実施した。変異株全体(n=782)の共培養実験を完了し、56株(56/782, 7.2%)の病原性喪失株(繊毛虫が生残)を選抜した。AP-PCR法とシークエンスでトランスポゾン挿入部位を確認した結果、Ⅳ型分泌装置関連遺伝子(dot, icm等)の変異(n=17), 既知のエフェクタータンパク遺伝子の変異(n=6)、各種トランスポータータンパク遺伝子の変異(n=7)などを特定した。既報でヒト細胞または原生生物細胞への病原性が知られているものを除外し、まだ報告がない病原性遺伝子の候補として10遺伝子(lpg1859, lpg1343, lpg1206, lpg2856, lpg1828, lpg1013, lpg0077, lpg2345, DEAD/DEAH box helicase, hypothetical protein)を特定した。 (2)ヒト細胞への影響:上記の10遺伝子が変異したLp菌株をHeLa細胞に感染させて48時間後の細胞生存性を確認した結果、7株で細胞が生残した。これらの7遺伝子がコードするタンパクは繊毛虫細胞とヒト細胞の双方に病原性を及ぼす未報告のエフェクターだと考えられる。研究調書に記載したTHP-1細胞とLpの共培養も開始したが、まだ結果が出揃っていない。 (3)部位特異的変異株による再現実験:部位特異的変異によってLpの遺伝子を改変しても同様の結果が得られるかを検証するために、相同組換えによって上記の10遺伝子を欠損させた株の作出を試みたが、R5年度中には欠損株の樹立には至らなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究調書に記載した内容はおおむね進めることが出来ているが、THP-1細胞とLpの共培養実験は他の作業との兼ね合いから着手が遅れ、2年目後半に実施する予定だったが完結することができなかった。そのため「やや遅れている」と評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
THP-1細胞とLpの共培養実験は着手しているので引き続き作業を進める。クローニングや変異導入株の作出についても、最終年度である本年度内に予定の研究計画を完結できるよう同時並行で進める予定である。
|