新規核酸アナログによるRNAウイルス感染細胞内ATP合成・局在変化制御機構の解明
Project/Area Number |
22K07092
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49060:Virology-related
|
Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
滝沢 直己 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 研究員 (50448502)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | インフルエンザウイルス / 抗RNAウイルス薬 / 天然物 / 抗ウイルス薬 / 核酸アナログ |
Outline of Research at the Start |
新興再興感染症の流行により、新たな流行を引き起こすウイルスに対して迅速に対応可能なbroad-spectrumな抗ウイルス薬開発が求められている。我々は高い抗インフルエンザウイルス活性を持つ核酸アナログに分類される天然物誘導体を見出しており、宿主に作用することで抗ウイルス効果を発揮するという結果を得ている。本研究計画では我々の持つ核酸アナログの抗ウイルス作用メカニズムを詳細に解明することで、明らかとした過程がbroad-spectrumな抗RNAウイルス薬開発のターゲットであることを立証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザウイルス増殖抑制活性を持つ化合物、methyl-thio-formycin(SMeFM)は宿主側に作用する化合物であると考えられるため、インフルエンザウイルス以外のRNAウイルス増殖抑制活性について評価を行った。この結果、SMeFMは感染系、レプリコン細胞系の両方で抗SARS-CoV-2活性を持つことを明らかとした。SARS-CoV-2の増殖を抑制する濃度で細胞死は確認されなかったことから、ウイルス増殖を特異的に阻害していると考えられる。他のRNAウイルスにおけるSMeFMの作用についても現在検討している。SMeFMはATP合成に関わる経路を阻害する可能性が高いことから、インフルエンザウイルス感染細胞内およびSMeFM処理細胞内におけるATPの量、局在について検討を行うために、ATPセンサーであるMaLionGを恒常発現するMDCK細胞であるMDCK-MaLionG細胞の樹立を行った。また、SMeFMについてはマウス体内での安定性が低いことが動物実験を行う上での支障となっていたことから、SMeFM代謝経路の解明を行った。この結果、SMeFMを基質としてformycin Bに代謝する活性を持つ酵素を同定した。この結果を元に、SMeFM誘導体の代謝実験を行ったところ、酵素に認識されるSMeFM上の部位について特定し、SMeFMの抗インフルエンザウイルス活性をほぼ維持した状態でマウスで代謝安定となるSMeFM誘導体を同定した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インフルエンザウイルス以外のRNAウイルスに対するSMeFM活性評価については順調に進展している。今後はメカニズム解析に注力する。代謝安定な誘導体が同定できたことから、動物実験についても今後行える可能性が高くなったので、マウスにおける抗ウイルス活性評価についても進める。
|
Strategy for Future Research Activity |
SMeFMがRNAウイルス増殖を抑えるメカニズムを明らかとする。SMeFMが阻害するATP合成経路中の過程を詳細に明らかとし、SMeFMの作用点を決定する。SMeFM処理細胞中ではATP量が減少する事を明らかとしているが、ATP量の減少が確認される薬剤濃度がウイルス増殖阻害濃度と乖離していることから、ATP合成の中間体まで含めた解析が必要であると考えている。また、細胞内におけるATP動態について観察を行い、インフルエンザウイルス感染時のATP動態変化について検討を行う。同時にSMeFM添加時におけるATP動態についても検討を行い、SMeFMの作用を細胞生物学的に明らかとする。これらメカニズムの検討に加えて、マウスにおける感染実験を行い、マウスにおけるSMeFM誘導体のインフルエンザウイルス増殖阻害活性評価を行う。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)