Project/Area Number |
22K07110
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49060:Virology-related
|
Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
今井 正樹 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 国際ウイルス感染症研究センター 部長 (30333363)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | インフルエンザウイルス / 新型コロナウイルス / 2種混合ワクチン / COVID-19 / インフルエンザ |
Outline of Research at the Start |
既存のインフルエンザワクチン製造施設を利用してインフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンを同時に製造することができれば、両感染症に対するワクチンを迅速に国内に供給することが可能である。本研究では、発育鶏卵を用いてインフルエンザとCOVID-19に対する2種混合ワクチンを製造するための基盤技術を確立することを目的として、リバースジェネティクス法を用いて、新型コロナウイルスの感染防御抗原を持つ組換えインフルエンザウイルスを作出する。このウイルス粒子をもとに不活化ワクチンを作製して、本ワクチンの両感染症に対する効果を検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
近年リバースジェネティクス法を用いて、インフルエンザウイルス遺伝子に外来性遺伝子を組み込んだ組換えウイルスを作出することが可能になった。しかし、新型コロナウイルスのスパイク蛋白質の抗原性に影響を与えることなく同蛋白質を保有した組換えインフルエンザウイルスを作製する技術は確立していない。本研究では、発育鶏卵を用いてインフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する2種混合ワクチンを製造するための基盤技術を確立することを目的として、リバースジェネティクス法を用いて、新型コロナウイルスの感染防御抗原(スパイク蛋白質)を持つ組換えインフルエンザウイルスを作出する。 本研究代表者らは、発育鶏卵で高い増殖性を示す組換えインフルエンザウイルス株(高増殖性A/Puerto Rico/8/34(H1N1)(Ping et al., Nat. Commun., 2015)を作出している。昨年度は、インフルエンザウイルスのNS遺伝子を改変して、NS1遺伝子、NS2/NEP遺伝子、ならびに新型コロナウイルスのスパイク遺伝子を発現するプラスミドを作出した。 本年度は、この改変NS遺伝子を発現するプラスミドをトランスフェクションした培養細胞において、スパイク蛋白質が発現することを確認した。また、A/Puerto Rico/8/34株由来の7種類のウイルス遺伝子(PB2, PB1, PA, HA, NP, NA, M)を発現するプラスミドと、スパイク蛋白質のS1ドメインを発現するプラスミド、ならびにA/Puerto Rico/8/34株由来の4種類のウイルス蛋白質(PB1, PB2, PA, NP)を発現するプラスミドを培養細胞に導入して、スパイク蛋白質のS1ドメインを持つ組換えウイルスを作出した。同様にして、スパイク蛋白質のS1及びS2ドメイン(S1+S2)を持つ組換えウイルスも作出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス・スパイク蛋白質のS1ドメインあるいはS1及びS2ドメインを挿入した改変NS遺伝子を発現するプラスミドをトランスフェクションした培養細胞において、スパイク蛋白質が発現することを蛍光抗体法により確認した。 インフルエンザウイルスのA/Puerto Rico/8/34株由来の7種類のウイルス遺伝子(PB2, PB1, PA, HA, NP, NA, M)を発現するプラスミドと、スパイク蛋白質S1ドメインを挿入した改変NS遺伝子を発現するプラスミド、ならびにA/Puerto Rico/8/34株由来の4種類のウイルス蛋白質(PB1, PB2, PA, NP)を発現するプラスミドを培養細胞にトランスフェクションして、スパイク蛋白質S1ドメインを持つ組換えウイルスを作製した。同様にして、S1及びS2ドメイン(S1+S2)を持つ組換えウイルスも作出した。 また、比較のために、A/Puerto Rico/8/34株由来の8種類のウイルス遺伝子(PB2, PB1, PA, HA, NP, NA, M, NS)を発現するプラスミドと4種類のインフルエンザウイルス蛋白質(PB2, PB1, PA, NP)を発現するプラスミドを培養細胞にトランスフェクションして、野生型のA/Puerto Rico/8/34株を作出した。
|
Strategy for Future Research Activity |
R5年度で作出した新型コロナウイルスのスパイク蛋白質を持つ組換えインフルエンザウイルスを10日から11日齢の発育鶏卵あるいは培養細胞で増やした後、密度勾配遠心法を用いてウイルス粒子を精製する。精製ウイルス粒子中に取り込まれたスパイク蛋白質を検出するために、スパイク蛋白質に対する抗体を用いたウェスタンブロット法を行う。 新型コロナウイルス感染に対する不活化ワクチンの免疫原性と感染防御効果を検証するため、βープロピオラクトンなどで不活化したウイルスを2回免疫したマウスに、致死量のマウス馴化SARS-CoV-2を感染させる。感染後、マウスの呼吸器におけるウイルス量、生残率、および体重変化を調べる。また、ワクチン接種したマウスから血清を回収して、血清中の新型コロナウイルスに対する中和抗体価を調べる。
|