Project/Area Number |
22K07142
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49070:Immunology-related
|
Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
高木 智 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 免疫制御研究部長 (10242116)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 炎症 / 好酸球 / 脂質代謝物 / サイトカイン / アレルギー |
Outline of Research at the Start |
炎症誘導時に発現誘導されることから注目した脂肪代謝酵素遺伝子は、これまで皮膚腺組織で恒常的に発現することが報告されているが生理作用はほとんど明らかになっていない。本遺伝子が好酸球でも発現し、活性化でさらに発現が上昇することを発見した。当該遺伝子の欠損により接触皮膚炎や大腸炎が増悪することを見出しており、本研究ではIL-5依存性細胞/脂質代謝軸を介する新規炎症抑制ないし消退機構を解明し、アレルギー性炎症や好酸球性炎症による疾患群の新しい治療標的系を探索する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球はその細胞障害性メディエーターにより寄生虫感染防御やアレルギー性炎症の病態形成に働くことが知られている。加えて、近年、免疫及び種々の生体応答において新しい制御機能を担うことが報告されてきている。本研究では、IL-5及び好酸球から未知の脂質代謝軸を介する新規の免疫応答制御機構、炎症抑制及び消退機構を解明し炎症制御法の確立に資することを目指す。慢性炎症疾患モデルの解析から、接触皮膚炎や大腸炎の抑制または消退過程に関わる候補分子を同定した。現時点では脂質代謝活性を有することが報告されているが、炎症や組織修復への関与は全く不明である。これを起点として、炎症組織における生理作用、標的細胞群、基質となる分子群ならび標的制御系を明らかにする。当該候補遺伝子欠損及び野生型マウスより採取した骨髄細胞を移入した骨髄キメラを作成し検討した。当該遺伝子の発現は皮膚組織で報告されていたが、これまで知られていなかった血球細胞での発現が炎症抑制または消退に関与することがわかった。皮膚炎誘導時に抗IL-5抗体を投与することにより当該遺伝子欠損での炎症増悪が観察されなくなることを明らかにした。IL-5欠損との交配を進め、重複欠損マウスにおいては単独欠損と同程度の皮膚炎症が誘導されることから、IL-5反応性細胞が皮膚炎増強の責任細胞であると示唆された。リンパ球を欠くRAG2欠損との交配では重複欠損マウスにおいてRAG欠損に比し皮膚炎が増悪し、IL-5反応性細胞に含まれるB系細胞、抑制性B細胞等は増悪に寄与しないことがわかった。好酸球と脂質代謝系を介すると考えられる新規炎症制御系の存在が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
接触皮膚炎モデルで当該候補遺伝子欠損では炎症が増悪すること、血球細胞での当該遺伝子の発現が炎症抑制または消退に関与することを解明した。さらに、パパイン誘発性肺炎やデキストリン負荷による大腸炎での検討を進めており、各種炎症組織における当該遺伝子の関与及び好酸球を介する新規抑制系を同定しつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
好酸球を欠損するΔdblGATAマウスを導入し好酸球でのみ当該遺伝子を欠損する骨髄キメラマウスを作成する。ΔdblGATA骨髄細胞と当該遺伝子欠損骨髄細胞を10:1から20:1の比率で混ぜて致死量放射線を照射したレシピエントに移入する。このキメラでは好酸球は当該遺伝子欠損骨髄細胞のみから分化し、好酸球以外の細胞分画の90-95%がΔdblGATA骨髄由来の正常な細胞という個体が作成できる。これらを用いて、好酸球でのみ当該遺伝子を欠損する場合の転帰を検討する。 接触皮膚炎や気道炎症等の各種アレルギー性炎症での関与検討を進め、標的細胞候補であるBAL中の好酸球のリピドーム解析から当該候補遺伝子の機能探索、新規基質及びメディエーター存在の可能性、炎症増悪に至る分子機構の解明を進める。相次いで報告された新たな好酸球の亜集団との関連を調べる。Clec4a4陽性の好酸球は腸管に存在し炎症抑制作用を持つ。DSS腸炎で増加するCD80陽性PD-L1陽性の活性化好酸球は高い抗菌作用を持つとともにT細胞の増殖を抑制する。これら新規好酸球亜集団との関連及び炎症制御機能に着目して検討する。
|