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プロテオーム熱安定性評価法(TPP)によるがん細胞の酸化ストレス耐性機構の解明

Research Project

Project/Area Number 22K07144
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 50010:Tumor biology-related
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

小林 大樹  新潟大学, 医歯学系, 助教 (20448517)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Keywords酸化ストレス / Thermal proteome profile / がん細胞 / がん / 活性酸素種 / 構造・機能プロテオミクス / タンパク質熱安定性
Outline of Research at the Start

がんは微小環境で過剰に産生した活性酸素種 (ROS)にさらされながらも、さまざまな戦略によって酸化ストレス耐性を獲得し、更なる悪性化へと進んでいく。この過程においてROSにより酸化修飾を受けた様々なタンパク質が機能を変化させ、その結果がん特有の酸化ストレス耐性機構が生み出されると考えられているが、その詳細なメカニズムは不明な点が多く存在する。そこで本研究では、タンパク質の構造や存在状態を包括的に計測するための技術を用いて、ROSによって修飾されたタンパク質の存在状態を指標にがん細胞の酸化ストレス応答を俯瞰することで、がん細胞の酸化ストレス耐性の実体解明を目指す。

Outline of Annual Research Achievements

がんは微小環境で過剰に産生した活性酸素種 (ROS)にさらされながらも、さまざまな戦略によって酸化ストレス耐性を獲得し、更なる悪性化へと進んでいく。この過程においてROSにより酸化修飾を受けた様々なタンパク質が機能を変化させ、その結果がん特有の酸化ストレス耐性機構が生み出されると考えられているが、その詳細なメカニズムは不明な点が多く存在する。そこでタンパク質の構造や存在状態を包括的に計測するための技術を用いて、ROSによって修飾されたタンパク質の存在状態を指標にがん細胞の酸化ストレス応答を解析するため、申請者らの研究室が所有する各種がん細胞の中からに酸化ストレス応答性を評価した。特にROSとその悪性度が密接に関与している前立腺がんの細胞株における内在性ROSレベルとプロテオーム発現状態をした結果、ROSレベルが高いDU145細胞株において、カタラーゼなどROSを除去する酵素群の発現が低下し、一方でチオール基を還元状態にするチオレドキシンシステムを構成する分子群の発現が亢進しており、タンパク質チオール基のレドックス恒常性の維持に寄与していることが示唆された。また、タンパク質存在状態を解析するためのThermal proteome profiling(TPP)法を実施するために、Peroxiredoxin-1抗体を用いたThermal Shift assayにより予備検討を行った。その結果、Peroxiredoxin-1の熱安定性が亢
進する過酸化水素の処理条件を確立した。さらに、安定同位体タグ(TMT)やData-independent acquisition (DIA)などを対象に、TPP法を実施するための定量解析手法の評価を行い、質量分析を用いた精密な定量データの取得方法を検討した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

解析に用いるがん細胞の酸化ストレス応答性を検証し、特に前立腺がん細胞の酸化ストレス応答を詳細に解析することに成功した。また酸化ストレス条件下におけるがん細胞内で存在状態が変化するタンパク質を網羅的に同定するための、実験条件を確立した。一方、本年度は上記の検証を進めたことにとどまり、解析対象に選定したがん細胞内の酸化ストレス条件下で状態変化するタンパク質の包括的な解析には至っていない。

Strategy for Future Research Activity

以下の解析によって、がん細胞の酸化ストレス応答を詳細に解析する。
1. 酸化ストレス条件下で状態変化するがん細胞内タンパク質の包括的な解析:タンパク質の構造や存在状態を包括的に計測するための技術により、ROS誘導処理をしたがん細胞及び非処理細胞からタンパク質を抽出して、ROSによって存在状態が変化するタンパク質を同定する。
2.酸化ストレス耐性機構に重要と推定される分子群の抽出: TPPにより同定された分子群から、GO解析、分子ネットワーク解析などを通じて、酸化ストレス応答の主体となる重要シグナル分子群を抽出する。また、構造が変化した分子に相互作用する分子群のデータを抽出し、構造が変化している分子複合体を特定することで細胞内の状態変化を推定する。さらに、ROS高感受性、低感受性がん細胞株の間で比較を行うことでそれぞれで特異的に構造が変化した分子群を探索し、酸化ストレス耐性との関連などを検証する。
3.酸化ストレス耐性関連候補分子群の機能解析: 酸化ストレス耐性に重要であると推定されたタンパク質群修飾状態を同定するともにその機能について検証する。酸化ストレス条件下で培養したがん細胞内でタグを融合させた状態で目的タンパク質を発現させ、タグ抗体によって精製し、質量分析データからタンパク質の酸化修飾部位と種類を同定する。また、酸化修飾部位が特定された分子に対して、酸化ストレス条件下での複合体形成状態を質量分析によって解析し、タンパク質の機能を検証する。
4.酸化ストレス耐性関連候補分子群のがん細胞内における生物学的意義の検証: 構造および機能を詳細に解析した分子群に対する抗体を用いて、酸化ストレスに応答した発現量および細胞内局在を解析する。また、これら分子群の機能を抑制、あるいは活性化させたがん細胞の酸化ストレス状態やシグナル経路、およびがん悪性化に関与する表現型に対する効果を検証する。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Presentation (5 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] チオレドキシンシステムを介した前立腺がん細胞内レドックス制御のプロテオーム解析2023

    • Author(s)
      小林大樹、高見知代、松本 雅記
    • Organizer
      日本プロテオーム学会2023年大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 前立腺がん細胞のチオレドキシンシステム阻害の レドックスプロテオーム解析2023

    • Author(s)
      小林大樹、高見知代、松本 雅記
    • Organizer
      第46回 日本分子生物学会年会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] がん細胞特異的タンパク質の機能解明を目指したプロテオーム解析2023

    • Author(s)
      小林大樹
    • Organizer
      第20回北里プロテオーム研究会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] プロテオームワイドなチオール酸化修飾解析による前立腺がん細胞の内因性酸化ストレス応答反応の解明2022

    • Author(s)
      小林大樹、高見知代、松本 雅記
    • Organizer
      日本プロテオーム学会2022年大会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] システインレドックスプロテオミクスによる前立腺がん細胞の内因性酸化ストレス応答反応の解析2022

    • Author(s)
      小林大樹、高見知代、松本 雅記
    • Organizer
      第45回 日本分子生物学会年会
    • Related Report
      2022 Research-status Report

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Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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