| Project/Area Number |
22K07155
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
|
| Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
馬場 崇 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90609992)
|
| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
| Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
| Keywords | 乳酸 / マクロファージ / IL-23 / Il23a / 腫瘍内高乳酸環境 / がん微小環境 |
| Outline of Research at the Start |
がん細胞は解糖系亢進により乳酸を多量に産生・分泌し(Warburg効果)、腫瘍内に浸潤した免疫細胞を制御している。このことにより、がん細胞は強制的に自身に有利な微小環境を作り出す。腫瘍随伴マクロファージは、「高乳酸環境」に晒されるとTLR2/4 刺激に伴う炎症性サイトカインIL-23Aの転写を促進し、M2 マクロファージ様遺伝子 Arg-1、VEGFAを転写誘導する。乳酸による転写促進はがんの進展と密接に関わっているにもかかわらず、その分子メカニズムは不明である。本研究では腫瘍随伴マクロファージにおける未知の乳酸依存的シグナル経路を紐解いていく。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は1)乳酸によるPI3K/Akt経路の活性化が転写誘導する遺伝子群の同定、および、がんの進展に与える影響を解明すること、2)乳酸の細胞内センサーを同定し、新規の乳酸シグナル経路を明らかにすることである。乳酸はToll様受容体(TLR)2または4の刺激に伴うIl23a遺伝子の発現を顕著に促進することが報告されている。Il23aは炎症性サイトカインIL-23のp19サブユニットをコードしており、Il23aのノックアウトマウスは移植した癌細胞の進展を抑える。このことから、乳酸は腫瘍内のIL-23の発現を上昇させ、腫瘍の進展を促す分子であると考えられる。代表者はゲノムワイドCRISPRスクリーニングを行い乳酸依存的なIl23a発現促進に必須ないくつかの候補遺伝子を同定した。加えて、それらの遺伝子産物は高乳酸環境下において核内移行が増加することを見出した。スクリーニングにはTLR2リガンドのペプチドグリカンを用いたが、その他のTLR2リガンドであるPam2CSK4、Pam3CSK4、TLR4リガンドのリポポリサッカライド(LPS)でも同様の核内移行促進効果が認められた。一方で、TLR7リガンドであるイミキモドやその他のTLRリガンドでは、乳酸による促進効果はなかった。つまり、乳酸依存的な核内移行の促進は、TLR2、TLR4特異的である可能性が示唆された。また、骨髄由来マクロファージを用いた実験においても同様の実験結果が得られ、乳酸の効果は細胞株特異的な現象ではないことが示された。以上の結果から、高乳酸は核内タンパク質を制御することによりIl23a遺伝子の発現をコントロールしている可能性が考えられる。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲノムワイドCRISPRスクリーニングから同定された遺伝子を軸に研究が進展し、これまで不明であった乳酸刺激に伴うIl23aの発現増加メカニズムが明確になりつつある。そのため、当初の目的の一つはほぼ達成されたと考えている。一方、もう一つの目的であるPI3K/Akt経路を介して活性化する遺伝子群の同定は未だ進行段階であり、さらなる解析が必要である。そのため、「やや遅れている」を選択した。
|
| Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果はマクロファージ様細胞株J774.1や骨髄由来マクロファージを用いて得られたが、実際に腫瘍随伴マクロファージでも同様の結果が得られるかどうかを明らかにしていく。さらに、クロマチン免疫沈降を行い、乳酸依存的な核内移行促進に伴うエピジェネティックな変化も見出していく。乳酸依存的なPI3K/Akt経路の活性化により誘導される遺伝子発現の網羅的解析をRNA-seqにより解析していく。
|