Galectin-3による造血幹細胞の体外増幅・維持法の確立と白血病治療への応用
Project/Area Number |
22K07190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
賈 維臻 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (40791281)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | Galectin-3 / 造血幹細胞 / 体外維持 / 白血病 |
Outline of Research at the Start |
造血幹細胞は新たな血液システム再構築の原料細胞として白血病の治療や遺伝性疾患の再生医療などに広く用いられている。しかしながら、造血幹細胞は骨髄中にわずかしか存在せず、生体外で増幅する技術の開発が求められている。現状ではある程度の体外維持が可能となってきたが、未分化な状態で増幅させることは未だ困難となっている。本申請研究は申請者がこれまでに解明したGalectin-3による造血幹細胞の維持機構に立脚して、Galectin-3の発現や機能を制御することで、造血幹細胞の細胞周期を回しながら未分化性を維持・老化予防する技術の確立を目指す。さらに得られた知見より、白血病の治療への応用の可能性を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はGalectin-3(Gal-3)による造血幹細胞の維持機構に立脚して、Gal-3の発現や機能を制御することで、造血幹細胞の細胞周期を回しながら未分化性を維持・老化予防する技術の確立を目指す。また、ここから得られた知見から、骨髄移植効率の向上や白血病の治療への応用の可能性を検討する。「Gal-3過剰発現による遺伝子発現パターンの特徴についてのプロファイリング」と「Gal-3を過剰発現させた造血幹細胞の骨髄再構築能の評価」を中心にして、2年間研究活動を行った。まず、Gal-3を過剰に発現させた造血幹細胞内の遺伝子発現プロファイルデータを取得し、定量 real-time PCR による発現解析を行った。その結果、Gal-3の過剰発現により酸化ストレス関連遺伝子は有意に低下し、アポトーシス関連因子も減少することが確認された。また、体外で増幅した造血幹細胞の機能が保たれているかを確認するため、造血幹細胞を経静脈的に連続移植する実験系を用いて実験を行った。その結果、Controlと比較すると、移植したGal-3を過剰に発現させた造血幹細胞の中で、特にG0/G1期の細胞が顕著に増加しており、骨髄再構築能の上昇が認められた。この結果から、白血病治療においても、Gal-3の発現制御が有効な治療法の開発に寄与すると推測される。そのため、令和6年度ではGal-3制御による白血病治療への応用を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を開始して2年目であり、現在のところは大きなトラブルも無く、実験計画書に記載した研究計画通りに進んでいる。本研究課題は3年間での実施を予定しており、最終的な到達目標を考慮しても、「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね研究計画書に記載したスケジュールおよび内容に従って研究は進行しており、令和6年度も当初の目標に向けてこのまま研究を進めていく予定である。本研究にて確立された造血幹細胞の体外維持・増幅の技術を白血病の治療へ適用する方法について検討を進める。リボヌクレアーゼであるRegnase-1が造血幹細胞のGATA-2、Tal-1の制御を介して自己複製を制御していることを明らかにした。そして、Regnase-1を欠損させたマウスでは急性骨髄性白血病と類似した症状を呈することを証明してきた。この白血病の発症マウスモデルを用い、白血病細胞でのGal-3過剰発現が白血病(幹)細胞の自己複製の抑制により、白血病発症を抑制するかどうかを検討する。またそこで、血球系細胞に特異的にRegnase-1の発現を欠損させるマウス(Vav-1-Cre X Regnase-1fl/fl)とGal-3を過剰発現させたTgマウス(Regnase-1fl/fl-Gal-3 Tg)を交配させたマウス由来の造血幹細胞では白血病の発症が抑制されるのかを解析する。加えて、Gal-3の過剰発現によるヒト白血病に対する治療効果を検討するため、Gal-3を過剰発現させたヒト白血病細胞株を免疫不全マウス(NOD-scid Il2rgnull)に移植し、白血病細胞の生着や増殖及び移植したマウスの生存率などを検討する。解析方法としてはフローサイトメトリー及び免疫染色を用い、ヒト白血病細胞を経時的に観察することにより評価する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)