Project/Area Number |
22K07194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
清成 信一 北里大学, 医学部, 講師 (70570836)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 神経芽腫 / MYCN / 代謝拮抗剤 / 葉酸代謝 |
Outline of Research at the Start |
小児がんである神経芽腫の一部の症例でMYCN遺伝子の増幅(MYCN増幅)が認められる。これまでにMYCN増幅を示す神経芽腫細胞がヌクレオチドの生合成を阻害する葉酸代謝拮抗剤に対して高い感受性を示すことを明らかにした。その一方で、MYCN遺伝子が正常(MYCN正常)の神経芽腫細胞が抵抗性となる分子メカニズムは未解明であった。予備的な研究の結果、MYCN正常の神経芽腫細胞は一般的ながん細胞とも異なる新奇な葉酸代謝経路を備えている可能性が示唆された。本研究ではMYCN増幅の有無によって異なる葉酸代謝経路を解明し、MYCN正常の神経芽腫の治療に有効な新しい治療標的分子を同定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
小児がんの一種である神経芽腫の一部の症例でMYCN遺伝子の増幅(MYCN増幅)が認められる。これまでに研究代表者はMYCN増幅を示す神経芽腫細胞がヌクレオチドの合成を阻害する葉酸代謝拮抗剤に対して高い感受性を示すことを明らかにした(Yamashita K et al., Cancer Science, 2020)。その一方で、MYCN遺伝子数が正常(MYCN正常)の神経芽腫細胞が抵抗性となる分子メカニズムは未解明であった。葉酸代謝拮抗剤は大腸がんなどの成人がんに対して広く用いられており、DNAの新規合成を阻害するという作用機序を考えた時、活発に増殖しているMYCN正常の神経芽腫細胞が高度に耐性化している理由に興味が持たれた。予備的な検討の結果、MYCN正常の神経芽腫細胞は葉酸代謝拮抗剤によって遮断された葉酸代謝経路を迂回してヌクレオチドを合成できる新奇な代謝経路を備えている可能性が示唆された。そこで、本研究ではMYCN増幅の有無によって異なる葉酸代謝経路の全貌を解明し、既存の葉酸代謝拮抗剤への抵抗性の解除、あるいはMYCN正常型に特徴的な葉酸代謝経路の阻害を作用機序とする新しい治療標的分子を同定することが最終目標である。 初年度は研究対象となる遺伝子群の絞り込みを行った。更に、RNAiによる遺伝子ノックダウンとその検証実験、CRISPR-Cas9による遺伝子ノックアウト株の取得を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複数の遺伝子を対象としたCRISPR-Cas9による遺伝子ノックアウト株の取得に時間と労力がかかっており、予定よりも進捗がやや遅れている。また、葉酸とその代謝産物の重要性を研究する上で、細胞培養培地への添加物であるウシ胎児血清(FBS)からの葉酸類の持ち込みや一般的な細胞培養培地とヒトやマウスの血清中の葉酸類の濃度の違いを理解して厳密にコントロールすることが重要という結論に至った。現在、培地の自作も視野に入れて実験系の構築を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のように、本研究では葉酸とその代謝物の濃度をヒトやマウスの血清中の濃度と可能な限り近づけることが重要である。完全なカスタム培地の外注費は想定よりも高価であり、当初想定していた研究予算では実施が難しい。ベースとなる基本培地の自作や市販の葉酸除去培地を利用した実験系の構築を試みる。ウシ胎児血清からの持ち込みに関しては市販の透析済み血清を利用することで解決できる。
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