CTLA4の細胞内輸送を利用した疲弊化回避型CAR-T細胞の開発
Project/Area Number |
22K07261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
若松 英 東京医科大学, 医学部, 講師 (40632617)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | CAR-T細胞 / CTLA-4 / 疲弊化 / 腫瘍免疫 / 免疫記憶 / CTLA4 |
Outline of Research at the Start |
CAR-T細胞療法は、難治性および再発性白血病、リンパ腫への適応が承認されており、他のがん種に対する臨床試験も進められている。しかし、CAR-T細胞療法も疲弊化という問題を抱えている。特に、CAR自身の自発的リン酸化によって惹起されるCARシグナルは、能動的なCAR-T細胞の疲弊化を誘導し、それを回避する手段は構築されていない。我々は、CARの局在を制御することでCAR-T細胞の細胞傷害活性に影響を与えることなく、遷延化するCARシグナルの抑制に成功した。本研究では、これらの結果を基に、能動的疲弊化を回避するCARの創出とそれを用いたCAR-T細胞によるがん免疫監視機構の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法は、白血病、およびリンパ腫への適応が承認されており、寛解率の高さから他のがん種に対する臨床開発が進められている。しかし、移入したCAR-T細胞が疲弊化し、抗腫瘍効果が減弱することが報告されている。そのため、疲弊化を回避できるCARの創出が求められている。本研究ではCAR自身のCD3z(CAR-CD3z)の自発的なリン酸化によって惹起される能動的な疲弊化に注目し、CTLA-4の細胞内領域を挿入したCAR(CAR-CTLA-4.28z)を用いて、能動的疲弊化を回避するCAR-T細胞の創出を進めており、本年度は、以下の成果を得ている。1) 昨年に引き続き、CAR-CD3zのリン酸化、脱リン酸化とCAR分子の輸送との関係性について評価した。CAR-CD28.zは細胞表面でCAR-CD3zがリン酸化され、細胞内にエンドサイトーシスされることで脱リン酸化された。この結果から、CAR-CTLA-4.28zのCAR-CD3zのリン酸化の減弱はCTLA-4によるエンドサイトーシスの亢進に起因していることが強く示唆された。2) CTLA-4細胞内領域(CTLA4Cy)をCD28-CD3zの配列の後に挿入した場合でも、CAR-CD3zのリン酸化を減弱させるかを評価した。その結果、CTLA-4.28.zと異なり、CD28.CD3z.CTLA-4は、細胞表面への発現もCAR-CD3zのリン酸化もCAR-28.zとほとんど違いが認められなかった。3) CAR-CTLA-4.28zの in vivoでの抗腫瘍効果を評価した。血液がんモデルでは CAR-28.zと抗腫瘍効果にほとんど違いが認められなかったが、固形がんモデルではCAR-CTLA-4.28zがより強い抗腫瘍効果を示す傾向が認められた。現在、N数を増やして、再現性を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CAR-CD3zの自発的なリン酸化がCAR-T細胞で起こっていることが知られているが、リン酸化が惹起される場所(細胞表面、細胞内小器官)や細胞表面から細胞内にエンドサイトーシスされた後もリン酸化が持続するかは不明であった。昨年に引き続き、CAR分子の輸送、およびCTLA-4Cyの挿入部位とCAR-CD3zのリン酸化との関係性を評価し、エンドサイトーシスによってCAR-CD3zが減弱すること、CTLA-4の挿入部位によってCAR-CD3zのリン酸化が異なることを見出した。また、in vivoでのCAR- CTLA-4.28.z-T細胞の抗腫瘍効果はコントロールCAR-T細胞よりも強い可能性を示す結果が得られており、CAR-CD3zのリン酸化が能動的な疲弊化の誘導に寄与している可能性が示唆されている。現在、免疫不全マウス、野生型マウスにCAR-28.zおよびCAR- CTLA-4.28.z-T細胞を移入し、CAR-CD3zのリン酸化を介した能動的な疲弊化の回避、およびCAR-T細胞の記憶細胞への分化に関して、末梢血を単離し、経時的に解析を行なっている。In vivoに移入したCAR-T細胞のRNAseq解析を用いた網羅的な遺伝子発現解析、およびヒトT細胞を用いた解析は準備段階だが、それ以外に関しては計画通り進んでおり、進捗は概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に引き続き、in vivoにおける能動的な疲弊化の回避、およびCAR-T細胞の記憶細胞への分化の解析を進め、遺伝子発現パターンの解析によるCAR-CTLA-4.28.z T細胞とCAR-28.z T細胞の質的違いを明らかにする。さらに、腫瘍細胞を複数回移植し、CAR-CTLA-4.28.zの有用性について検証していく。また、ヒトT細胞にCAR-CTLA-4.28.zを導入し、in vitro、およびNSGマウスを用いたin vivoでのCAR-T細胞の疲弊化の評価を行う。これまでの実験結果をまとめ、論文を作成していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Presentation] Comparison of linear and parallel co-stimulatory signaling via CD28 in the activation of CAR-T Cells2024
Author(s)
Tetsushi Nishikawa1,, Arata Takeuchi, Hiroaki Machiyama, Ei Wakamatsu, Hitoshi Nishijima, Masae Furuhata, Hiroko Toyota, Wataru Nishi, Ryohei Matsushima, Yosuke Yoshida, Tadashi Yokosuka
Organizer
第52回日本免疫学会
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[Presentation] PD-1-mediated suppression of CAR-T cells via CAR signalosomes colocalized by PD-12024
Author(s)
Yosuke Yoshida1,2, Hiroaki Machiyama2, Ei Wakamatsu, Arata Takeuchi, Hitoshi Nishijima, Hiroko Toyota, Masae Furuhata, Ryohei Matsushima, Tetsushi Nishikawa, Tadashi Yokosuka
Organizer
第52回日本免疫学会
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