Project/Area Number |
22K07284
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
徳永 竜馬 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (20594881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 裕士 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (80551259)
澤山 浩 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (40594875)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 体組成 / 大腸癌 / 腫瘍微小環境 / 患者因子 / 腫瘍因子 / 栄養 / 免疫 |
Outline of Research at the Start |
大腸癌は本邦における癌罹患数および臓器別癌死亡数で上位を占め、世界的に研究がすすめられている癌腫である。これまでに申請者らは、大腸癌における分子学的背景 (genetic change, epigenetic change) および癌の微小環境に注目した基礎的研究に加え、患者の全身性炎症・栄養・免疫状態の重要性を示した臨床的研究を行ってきた。癌患者における体組成は癌の進行度および予後と深く関連していると報告されている。本研究では体組成を含めた患者因子、腫瘍病期や分子免疫学的特徴を含めた腫瘍因子、免疫関連細胞に着目した癌の微小環境を詳細に評価することで大腸癌における橋渡し研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌は本邦における癌罹患数および臓器別癌死亡数で上位を占め、世界的に研究がすすめられている癌腫である。これまでに申請者らは、大腸癌における分子学的背景(genetic change 、epigenetic change) および癌の微小環境に注目した基礎的研究に加え、患者の全身性炎症・栄養・免疫状態の重要性を示した臨床的研究を行ってきた。本研究では体組成を含めた患者因子、腫瘍病期や分子免疫学的特徴を含めた腫瘍因子、免疫関連細胞に着目した癌の微小環境を詳細に評価することで大腸癌における橋渡し研究を行う。癌患者における体組成は癌の進行度および予後と深く関連していると報告されている。しかし、体組成を詳細に評価し、患者因子・腫瘍因子・腫瘍微小環境との関連および有用性を多数の臨床検体および基礎的実験を用いて評価した報告は認めない。本研究の目的は、大腸癌における体組成を含めた患者因子、腫瘍因子、および腫瘍微小環境がきたす現象変化を明らかにし、新規治療戦略の構築および革新的バイオマーカーを検索することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸癌患者における体組成の有用性を検討するために、臨床病理学的因子との関連を様々な角度から検討した。2015年4月から2019年6月までに熊本大学消化器外科学教室にて大腸癌に対して切除術を施行した1,013症例を対象とした。まずは、術前の体組成と術後の予後を検討するため、術前にinbody720を用いて体組成を測定し根治的原発切除術を施行した320症例に関して解析を進めた。各種体組成と予後との関連を検索したところ、過去の報告と同様に術前の筋肉量および内臓脂肪量と予後は有意な相関関係を認めた。また、大腸癌において過去に報告がない術前の細胞外水分量/体内水分量比 (ECW/TBW)と予後との関連を検討したところ、無再発生存・全生存において共に細胞外水分比が高い症例は予後不良という結果であった。サブグループ解析では左側大腸癌患者においてはその結果は顕著であった。一方、Stageとの関連を調べたところ、Stageによってその有用性に違いはみられなかった。また、細胞外水分比が高い症例は、高齢者に多く、BMIが低い症例に多く、右側大腸癌において優位に多いという知見も得た。一方、大腸癌における深達度、リンパ節転移の有無、Stageとの関連は認めなかった。多変量解析 (性別、年齢、BMI値、腫瘍深達度、リンパ節転移の有無、術後合併症の有無、細胞外水分量/体内水分量比を用いて検討) においては細胞外水分量/体内水分量比は独立した再発予測因子 (腫瘍深達度およびリンパ節転移の有無も同様に検出) かつ予後予測因子 (年齢も同様に検出) であった。以上より細胞外水分量/体内水分量比は大腸癌において新規予後予測因子になりうることが示唆された。現時点での知見にさらに検討を加えて論文投稿準備中であり、研究は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸癌において患者体組成は新規治療戦略および革新的バイオマーカー構築の一助になりうると考えられる。今回の詳細かつ網羅的な解析および基礎的研究により背景が解明されれば、大腸癌のみならず各種がん患者において有用な研究になる可能性がある。今後は、臨床病理学的因子との関連で得た知見に基づき、腫瘍病期、分子免疫学的特徴を含めた腫瘍因子、免疫関連細胞、に着目した癌の微小環境を詳細に評価し、大腸癌における橋渡し研究につなげていく。具体的にはin vitro、 in vivoのデータにて裏付けをとり、新規の知見を得ることを目標に研究を継続する予定としている。
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