Project/Area Number |
22K07289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
池野 正史 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80298546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 茂 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00293697)
武内 恒成 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90206946)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 悪性グリオーマ / 細胞治療 / 遺伝子治療 / 歯髄幹細胞 / 自殺遺伝子 / TERT遺伝子 / HSVtk遺伝子 / 細胞寿命 / クローン化 / 遺伝子細胞治療 / 幹細胞 / 製剤化 |
Outline of Research at the Start |
脳内を浸潤性に広がるために外科的切除が望めない悪性グリオーマに対して、ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ(HSVtk)による自殺遺伝子療法が期待されている。本治療法においては、HSVtk遺伝子の腫瘍組織へのデリバリーと抗腫瘍効果が必須要素である。これまでに腫瘍組織への集積機能を持つヒト間葉系幹細胞をHSVtk遺伝子のデリバリー手法とする細胞加工を開発してきた。本研究では、ヒト間葉系幹細胞の遺伝的加工を大規模に行い、腫瘍組織への集積機能を指標として高機能な細胞株を選別する。その後、細胞培養に伴う品質安定性、および抗腫瘍効果の有効性を検証し、製剤化に結びつける。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の悪性グリオーマに対する自殺遺伝子療法とは、ヒト間葉系幹細胞を利用して自殺遺伝子HSVtkを腫瘍組織へデリバリーする方法であり、これまでにヒト間葉系幹細胞をベースとしたHSVtk保有細胞を株化する基本技術は確立した。本研究ではHSVtk保有細胞の製剤化に向けてベースを歯髄幹細胞に特化し、長期培養に伴う品質安定性、抗腫瘍効果の有効性などを評価対象として高機能な治療細胞株を作製することが目的である。 前年度には、歯髄幹細胞を用いて一連の作製過程を検証するとともに、長期培養に伴う品質安定性に必要なTERTによる寿命延長効果を評価した。線維芽細胞や臍帯由来幹細胞と比較すると、歯髄幹細胞においては寿命延長効果が限定的であり、抗腫瘍効果に関わるHSVtk遺伝子の発現レベルが低いなどの課題が顕在化した。 そこで2023年度は、歯髄幹細胞においてTERTによる寿命延長効果が限定的である原因を見つけるために、TERT遺伝子導入の前後における遺伝子変動をRNAseqにより比較した。歯髄幹細胞における遺伝子変動数は、線維芽細胞と比較すると1/5程度と少なく、また細胞周期制御に関与する特定の遺伝子の発現に違いがあった。TERT遺伝子導入による効果が細胞種ごとに異なることから、TERTに代わる寿命延長方法として、強力な不死化効果を持つSV40ラージT抗原を検討した。その結果、歯髄幹細胞においては正常核型を維持したうえで寿命が延長し、同時に導入したHSVtk遺伝子の発現量が向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
治療細胞のベースを歯髄幹細胞に特化するために、TERTによる寿命延長効果を検証した。しかし、線維芽細胞の場合と比較して寿命延長効果が不足したことから、当初計画から変更し、TERTに代わり寿命を延長する手段を検討する必要性が生じた。不死化実績があるSV40ラージT抗原の適用可能性を検討した。SV40ラージT抗原の導入は、一般的に核型異常や細胞性質の変化を引き起こすことから、正常細胞への適用は回避される傾向にある。予想外に、歯髄幹細胞においては正常核型を維持したことから、SV40ラージT抗原をTERTに代わり歯髄幹細胞の寿命を延長する目的に利用することとした。現在、正常核型が維持できる原因を探索するとともに、腫瘍組織への集積機能や抗腫瘍効果など治療細胞として必須な要素について評価を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
TERT遺伝子による寿命延長効果や細胞周期制御の強固さには細胞種による違いがあることから、歯髄幹細胞に特化した寿命延長および細胞性質維持の方法を選定する必要がある。治療用細胞には、恒久的な細胞の増殖や維持は求められず、寿命延長の操作に際し、治療細胞として必須な機能要素が維持されることが重要となる。 そこで、歯髄幹細胞においては核型異常を引き起こさないSV40ラージT抗原について、炎症部位や腫瘍組織への集積機能、抗腫瘍効果に必要なHSVtk発現、および細胞がん化の可能性などを詳細に検討し、歯髄幹細胞の治療細胞としての製剤化に結びつける。
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