Project/Area Number |
22K07330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51020:Cognitive and brain science-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
桑木 共之 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80205260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏谷 英樹 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (70328376)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | エストロゲン / 快情動 / 側坐核 / ファイバーフォトメリ |
Outline of Research at the Start |
エストロゲンが快情動を増強するメカニズムの1つとして、エストロゲンによる側坐核の活性化仮説を検証する。そのために、1)エストロゲン濃度の生理的な増減と快情動の指標である情動脱力発作回数との間の関係を明らかにし、2)脳内エストロゲン受容体の種類とその存在部位から側坐核までの神経回路を解明し、3)エストロゲン投与による側坐核の活性化と情動行動との定量的対応をリアルタイムで検証する。本研究成果は気分障害、不安、鬱などの予防・治療に繋がる可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
エストロゲンは女性ホルモンとして性殖腺で作られるだけでなく、男性・女性の脳内でも作られており情動や記憶学習に影響する。閉経後の鬱やホルモン療法による記憶増進などが知られている。本研究の目的は、「エストロゲンが側坐核を活性化することがその快情動誘発メカニズムの一つである」という仮説を検証する事である。快情動の指標としてナルコレプシー(嗜眠病)モデルマウスの情動脱力発作を利用し、本年度は以下の実験を行った。 1)脱力発作は快情動を誘発する刺激が無くても発症する。その原因は快情動の記憶想起にある事を突き止め、論文発表並びに学会発表した。 2)血中エストロゲン濃度をELISAで、カタプレキー回数を夜間(マウスの活動期)のビデオ行動記録から解析したところ、両者の間には正の相関関係が存在した。また、性周期をスメア法により同定したところ、発情期にカタプレキシー回数が著しく増加していた。一方で、妊娠期間中の血中エストロゲン高値はカタプレキシー回数の増加には結び付かなかった。妊娠期間中には脳内の受容体に変化が起っている事が示唆された。 3)遺伝子及び脳部位特異的に神経刺激を行う方法であるオプトジェネティクス手法を用いて側坐核の特異的刺激が脱力発作を引き起こす事を証明し、論文発表した。 4)情動脱力発作の原因であるオレキシン神経の欠損は痒みによる引っ掻き行動を減弱させた。すなわちオレキシン神経の活性化は不快情動に関係すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は3つの実験を予定していた。1)エストロゲン濃度と情動脱力発作回数との相関分析、2)関与するエストロゲン受容体の同定、3)ファイバーフォトメトリー法を用いた側坐核神経活動のリアルタイム記録、である。 この内、1)は完了、2)は部分的に完了、3)は未着手である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)エストロゲンが側坐核吻側部を本当に活性化させるか否かを検証するために、形質膜型エストロゲン受容体のアゴニスト投与によって活性化される脳部位を神経細胞活性化マーカーの染色により同定する。 2)脳内エストロゲンの増減が側坐核吻側部神経活動に影響を与えている事を、ファイバーフォトメトリー法を用いてリアルタイムで検証する。
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