Project/Area Number |
22K07374
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
中矢 正 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 講師 (50374559)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | FUS / ALS / 細胞外分泌 / RNA結合 / 細胞外 / 分泌 |
Outline of Research at the Start |
筋委縮症側索硬化症(ALS)の原因因子であるFUSによる疾患発症・伝播機構は未解明である。その機構解明を目的とし、FUS凝集体の細胞外への分泌分子機構を解明する。まず、FUS分子内領域欠損体を用いた解析から、同機構の責任領域を解明する。更に、解明した領域に結合する因子を明らかにすることで、その分子機構を解明する。また、その分子機構の生理的意義を解明するため、同機構を抑制または促進した細胞系を構築し、その表現型解析を生化学的・細胞生物学的手法により行う。これらを通して、FUSの疾患発症・伝播機構の解明を行うと共に、それらが治療標的となりうるのか、明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
FUSは核内に局在するRNA結合タンパク質であり、その異常凝集体が細胞間を伝播することで罹患部位が拡大し、症状の悪化を引き起こすと考えられている。しかしながらその伝播機構の実在性や、また実在した場合の分子機構は未だ明らかではない。本研究では、その疾患伝播機構を明らかにすることを目的としている。これまでにFUSが細胞外に分泌されることを明らかとし、またその細胞外分泌に関わる分子内領域の同定を行った。 上記の細胞外分泌責任領域の特徴づけを行うため、更に細分化したコンストラクトを作製し、マウスES細胞由来神経細胞に発現させ、細胞外への分泌量を生化学的に測定した。その結果、ある特定の配列を欠損したFUS変異体で細胞外への分泌が著しく減少することを見出した。このことから、この配列がFUSの細胞外への分泌に深く関わる可能性が示唆された。この配列は昨年度見出した細胞外分泌に関わる領域に近いものの、完全に重複しているわけではないことから、生理的に意味のあるものであるのか明らかにするため、更に検証を重ねる必要があると考えられた。 一方、細胞外への分泌過程に関わる因子の同定を目的とし、まず、細胞外への分泌が抑制される条件の検討を試みた。はじめに、前年度行ったM9Mペプチドを用いた解析を再度進めた。M9MペプチドはFUSの核内局在を抑制することが報告されている。しかしながら、用いた実験系ではFUSの局在は変化しなかったことが確認できたことから、同ペプチドを用いた実験を中止した。次に、様々な薬剤を作用させることで分泌経路を明らかにする実験を試みた。上記の神経細胞に対し、細胞ストレスを負荷した条件下で、FUSの分泌過程を生化学的に検討した。現在進行中であるが、分泌抑制が観測される特定の条件を見出しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FUSの分泌に関する責任領域について、より小さい領域に絞り込める可能性が得られたことは、以降の研究推進に有利に働くことが期待できた。また、前年度M9Mペプチドを用いた実験が報告通りに進まなかった点を踏まえ、薬剤処理に実験を変更した結果、おおむね計画通りの結果を得ることができた。まだ検証するべき点は多々あるが、これらの結果を元に計画通りに進展させることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
FUSの分泌に寄与する責任領域の同定に関して、見出した配列が分泌に関わる機能配列であることを確認するため、その配列を別のタンパク質に付加する等してその分泌量の変化を生化学的に検証する。また、この機能配列が関わる分子経路解明のため、in vitro系もしくは細胞系を用いて同領域に結合する因子の探索に取り組む。一方、分泌に関わる分子経路について、現在行っている薬剤処理に加え、同様の効果を持つ複数種の薬剤による効果を検討し、特定条件下で生じる現象であることを確認する。また、上記の機能配列を用いた分子を発現させ、同様の薬剤処理を行うことで、分泌を制御している経路の解明を目指す。
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