Project/Area Number |
22K07387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小林 雅樹 群馬大学, 生体調節研究所, 講師 (80373041)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | グルカゴン / 脂肪肝 / エンテログルカゴン / L細胞 |
Outline of Research at the Start |
(1)新しい高精度OXNサンドイッチELISAの信頼性評価を行う。(2)EPAのL細胞への作用を明らかにするため、生体に近い性質をもつ小腸オルガノイドのEx Vivoの実験系を用いて、L細胞の増殖や栄養素刺激に対するホルモン分泌能の解析を行う。(3)小腸オルガノイドより単離したL細胞を用いて、EPAの作用機序を分子レベルで明らかにするための解析を行う。(4)小腸オルガノイドで明らかにしたL細胞の変化がマウス個体を用いたIn Vivoの実験系においても生じていることを確認する。
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Outline of Annual Research Achievements |
耐糖能障害の疑われる被験者に対し糖負荷試験を行った結果、プログルカゴン由来ペプチドの分泌が著しく高値を示す被験者が存在し、エイコサペンタエン酸(EPA)製剤の処方と有意な関連を示す事を見出した。EPAにより小腸L細胞の数やホルモン分泌能が増加し、特にオキシントモジュリン(OXN)の分泌の増加が肝臓の脂肪分解促進に関わっている可能性が考えられた。そのため、OXN分泌に関する解析を行うために、サンドイッチELISAによるOXNの測定系開発を行う。 プログルカゴン発現細胞において蛍光タンパクを発現する遺伝子改変マウスの腸管上皮を用いて小腸オルガノイドを作成し、EPAを添加して刺激、培養を行い、L細胞の増殖やホルモン分泌能の解析を行う。L細胞の蛍光シグナルを利用し、L細胞をFACSソーティングする。単離L細胞について細胞の分化や機能に関連する遺伝子の発現解析を行い、EPAによる細胞増殖やホルモン分泌に関わる細胞内シグナル経路を探索する。 小腸オルガノイドで解析したL細胞の数やホルモン分泌能の変化がマウス個体においても認められるのかについて検討するため、高脂肪食飼育を行った遺伝子改変マウスにEPAを投与し、脂肪肝や代謝に関する組織学的、生化学的解析を行う。EPAの代謝改善効果に対するプログルカゴン由来ペプチドの関与を明らかにするため、プログルカゴン遺伝子欠損マウスについても同様の解析を行う。グルカゴン受容体は主に肝臓において発現しているため、OXNの代謝改善作用、特に脂肪分解作用は肝臓のグルカゴン受容体を介して刺激されていることが予想されることから、肝特異的グルカゴン受容体欠損マウスにEPAを投与し、脂肪肝改善効果が減弱することを確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの血漿中のオキシントモジュリンを定量するためのサンドイッチELISAを開発するため、プログルカゴン遺伝子欠損マウスに対しオキシントモジュリンC末端のペプチドを免疫し、モノクローナル抗体を作成している。現在までに複数のオキシントモジュリンC末端モノクローナル抗体を得ている。オキシントモジュリンのN末端はグルカゴンと共通であるため、以前開発したグルカゴンサンドイッチELISAにおいて使用しているN末端抗体と組み合わてオキシントモジュリンのサンドイッチELISAとし、アッセイバリデーションを行っている。 L細胞からのオキシントモジュリンの分泌などの解析のため、小腸オルガノイドの作成を行っている。L細胞の同定を可能とするためGlucagon Cre-ERT2マウスとROSA26-CAG-tdTomatoマウスの交配により、タモキシフェン投与後にプログルカゴン発現細胞において蛍光タンパクを発現するマウスを作成した。また、プログルカゴン遺伝子欠損マウス(プログルカゴン遺伝子がGFPに置換され、プログルカゴン由来ペプチドが産生されない。ヘテロ欠損マウスはGFPとプログルカゴンが同時に発現する)も利用し、これらの遺伝子改変マウスの小腸オルガノイドを作製するための条件等の検討を行っている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在作成しているオキシントモジュリンのサンドイッチELISAのアッセイバリデーションについて、質量分析装置との比較解析も実施する。遺伝子改変マウスの腸管上皮より作製した小腸オルガノイドにEPAを添加して培養し、蛍光タンパクで標識されたL細胞の数の変化を解析する。また、各種栄養素刺激(ブドウ糖、アミノ酸など)によるプログルカゴン由来ペプチドの分泌能の変化を解析する。オキシントモジュリン、グリセンチン、グルカゴンの測定には新たに作製した新しい高精度サンドイッチELISAおよびLC-MS/MSの測定系を使用する。 遺伝子改変マウスより作製した小腸オルガノイドにEPAを添加して培養した後、L細胞のGFPシグナルを利用し、L細胞をFACSソーティングする。単離L細胞について細胞の分化や機能に関連する遺伝子のリアルタイムPCRによる発現解析などに加え、網羅的なオミクス解析を行い、EPAによる細胞増殖やホルモン分泌に関わる細胞内シグナル経路を探索する。候補となるシグナル経路を外因的に操作 (関連遺伝子の強制発現やノックダウン、作動薬や阻害剤処理など) した際のL細胞増殖、ホルモン分泌への影響を解析する。 小腸オルガノイドで解析したL細胞の数やホルモン分泌能の変化がマウス個体においても 認められるのかについて検討するため、高脂肪食飼育を行った遺伝子改変マウスにEPAを投与し脂肪肝について組織学的、生化学的解析、血中パラメーターの解析、代謝に関わる個体レベルのパラメーターを解析する。EPAの代謝改善効果に対するプログルカゴン由来ペプチドの関与を明らかにするため、プログルカゴン遺伝子欠損マウスについても同様の解析を行う。OXNの代謝改善作用が肝臓のグルカゴン受容体を介していることを確認するため肝特異的グルカゴン受容体欠損マウスにEPAを投与し、脂肪肝改善効果が減弱することを確認する。
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