Project/Area Number |
22K07450
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
金桶 吉起 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20280589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堂西 倫弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70326354)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 機能性胃腸症 / シネMRI / 胃電図 |
Outline of Research at the Start |
機能性胃腸症は、器質的疾患がないにも関わらず腹部膨満感や胸焼けなどの症状を訴えるもので、成人の10-17%存在し日常生活にも支障をきたす例もある。しかし、その原因は様々で日常診療において診断や適切な治療は困難である。さらにこのような消化器系の異常は、脳機能や精神状態にも影響を及ぼす可能性があり、日常生活レベル低下の原因となりうる。本研究では、特に胃の運動制御(ペースメーカー活動)と機能性胃腸症との関係を調べ機能性胃腸症の原因究明と治療への道筋をつけること、さらに胃の活動が脳機能や精神状態に与える可能性を追求し、消化管障害による心身症や神経精神疾患による抑うつ、不安の緩和治療への可能性を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
胃腸の障害が精神に影響を及ぼすことはあまり注目されていない。胃腸の状態の健全化は精神症状の改善や精神疾患の予防につながる可能性がある。本研究では、機能性胃腸症の病態をシネMRIによるいの運動と同時に測定する胃電図による胃の電気活動を解析することにより明らかにすることを目的としている。機能性胃腸症は器質的に異常のないにもかかわらず、胸焼けや腹部膨満感などの症状を訴えるもので、普通に生活している人の中にも10-17%が該当すると言われている。それらの病態は多くが不明で診断や治療方法は進展していない。これらの症状の病態把握は将来の治療に繋がり、それによって精神症状の悪化を予防できる可能性がある。2022年度は18-24歳の若年成人69名のデータを収集することができた。若年成人を対象としたのは、胃潰瘍や癌などの気質的な異常がある被験者が稀であると予測できるからである。それでも10名(14.5%)に機能性胃腸症と診断しうる被験者がアンケート調査により明らかになった。被験者は12時頃に通常どおりの昼食をとり、16時過ぎからシネMRIの撮像を行なった。その時同時に胃電図を測定した。食後3時間以上経過しているが、ほぼ全員に胃の内容物が確認された。MRIにより胃角を中心に頭側と尾側に1cmずつ離れた部位で胃の矢状断を1秒ごとに30分間撮像した。胃断面の面積は独自開発のソフトにより計測し、その時間変化を解析した。その結果多くの被験者データにおいてペースメーカー活動によると考えられる0.05Hz前後のサイン波状の胃の収縮活動を観測できた。また同時測定した胃電図においても0.05Hz前後のペースメーカーポテンシャルの伝導に伴う電位変化を観測した。これらのデータを独自に開発したソフトによって解析し、上部消化管症状の程度と関連のあるパラメータの候補を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、200名の被験者データを収集することによって、その中で胸焼けや膨満感などの上部消化管症状の程度とシネMRIおよび胃電図初見との関連を探るものである。200名のデータが必要とした理由は、正常に日常生活を送る人の中にも機能性胃腸症と診断されうる人が10-17%存在するとされているからで、すなわち200名中20名以上の被験者にこのような人があり、症状のない多くの人のデータをコントロールデータとして比較検討することにより機能性胃腸症に特有な胃の運動や電気活動を明らかにすることができると考えた。現在69名のデータが収集でき、そのうちアンケート調査によって胃腸症状の多い被験者が10名(14.5%)あった。これらのデータによって予備的な解析を行なったところ、シネMRIによる胃の運動と胃電図による胃の電気活動ともに症状と統計学的に有意な関連がみられるパラメータが見つかった。また本年度中に130名以上のデータを収集することは十分可能であり、本研究の目的を達成できる可能性はかなり高い。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、130名以上の被験者を募りデータ収集を行う。これにより当初の目標である合計200名の被験者データを収集し解析にあたる。これまでのデータでも14.5%の被験者に機能性胃腸症と思われるものがあり、それらのデータと症状のないコントロールデータを順調に収集することができると確信している。よって、本年度中に概ねデータ解析を終了し論文投稿に向けて準備をする予定である。
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