Project/Area Number |
22K07489
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Kochi Gakuen University |
Principal Investigator |
森本 徳仁 高知学園大学, 健康科学部, 教授 (60398055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 樹生 天理医療大学, 医療学部, 特別研究員 (00274374)
西田 愛恵 高知大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (30600796)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 口腔内常在菌 / 抗体 / 複合体形成 / 血小板凝集 / 血小板 / 持続感染 / 細菌蛋白 / 疾患発症メカニズム |
Outline of Research at the Start |
常在菌は、口腔、皮膚および消化管等において複雑な細菌叢を形成しながら、外界からの病原微生物侵入の防御や、免疫賦活化などの重要な役割を果たしている。その一方、常在菌が直接あるいは間接的に自己免疫疾患および冠動脈疾患等の発症に関与することが報告されている。 申請者らは、口腔内から採取した常在菌による宿主の反応性を観察する上で、常在菌蛋白の刺激による血小板凝集や活性化、自己の常在菌に対する血清中、血小板表面抗体の有無および常在菌により刺激を受けた宿主細胞によるサイトカイン産生などの免疫反応の解析を行うことにより、さまざまな疾患の発症との関連性を明らかにしたいと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
口腔内常在菌は、ヒト口腔内において数百種類以上が定着・常在しているとされる。多くの常在菌は病原細菌の侵入防御の役割などを担っているが、一部の口腔内常在菌では、冠動脈疾患、慢性関節リウマチおよび大腸がん等のさまざまな疾患の発症に関連することも報告されている。また、生体に慢性持続感染するHelicobacter pyloriではH. pylori Lpp20蛋白が血小板に結合し、さらに抗Lpp20抗体が結合(複合体形成)することや、血小板表面IgG(PA-IgG)がH. pylori CagA蛋白を認識することも報告されており、これらの現象は血小板減少性紫斑病に関与している可能性が示唆されている。 このように、生体内に常在(慢性持続感染)する細菌(蛋白)が血小板に対して何らかの関連性を有していることが考えられることから、本研究では、ヒト口腔内常在菌抗原を認識する血小板表面結合IgG(PA-IgG)の検索および反応性を有する菌種を見出すことを目的として解析を行った。 自己の分離された口腔内常在菌に対する抗体をIn-house ELISA法により解析を行い、高い抗体価が認められた細菌に対してPA-IgGが反応性を有するか否かをウエスタンブロットにて確認した。その結果、Prevotella sp.、Haemophilus sp.およびStaphylococcus sp.等の10 菌種の高分子から低分子さまざまタンパクに対する反応性が認められた。 Prevotella sp.においては異なる被験者間においても同一分子量の蛋白(約40 kDa)を認識していたことから、Prevotella sp.の特定の蛋白による血小板への直接的作用や、血小板-Prevotella sp.蛋白-IgGの免疫複合体の存在も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究スケジュールにおいて、口腔内常在菌の分離、抗体ので検索等の解析は概ね進んでいる。今後は口腔内常在菌が血小板に関与する因子の検索として、今回報告にもあるPA-IgGが認識する菌蛋白の解析として、菌蛋白の血小板への直接結合するかあるいは間接的(複合体形成等)が関与するかなどの解析を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
菌蛋白の血小板結合部位と血小板活性化物質の解析を行う予定である。これまでに分離した口腔内常在菌のうち、Prevotella sp.、Haemophilus sp.およびStaphylococcus sp.等の10 菌種の菌タンパクを認識するPA-IgGが認められた。これらの候補となる菌種のタンパクを介して血小板と直接的あるいは間接的にPA-IgGが結合するかを明らかにする目的で、免疫沈降法を用いて解析を進める。血小板と上記候補菌種の溶解液を反応させたのち、抗血小板抗体で免疫沈降させた後、二次元電気泳動にて血小板と結合したタンパクを分離し、質量分析により候補タンパクを得る。これらの候補タンパクをコードする遺伝子を検索し、遺伝子組み替えによりリコンビナントタンパクを作成し、これまでと同様に血小板および抗体との反応性を解析し蛋白を同定する。また、これらのタンパクが結合する血小板表面部位の同定を行う。 菌タンパクによる血小板活性化においては血小板凝集あるいは血小板活性化により誘発させる物質(P-selectin、血小板活性化因子(PAF))等をELISA法により測定する。これらの結果から、PA-IgGが認識する菌タンパクが、同時に血小板を活性化しているかなど口腔内常在菌により血小板にどのような影響を与えるのかについて解明を進める。
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