遺伝性感覚自律神経性ニューロパチーの原因及び細胞学発症機序の解明
Project/Area Number |
22K07495
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
袁 軍輝 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任研究員 (90790254)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 遺伝性感覚自律神経性ニューロパチー / NGS/WES / RFC1 / DNTM1 / 細胞モデル / 遺伝性ニューロパチー / 次世代シークエンシング / 遺伝子組換え / 機能解析 |
Outline of Research at the Start |
遺伝性感覚・自律神経性ニューロパチー(HSAN)は、主に温痛覚や触覚、自律神経に影響を及ぼす遺伝性の神経疾患である。本研究は、日本全国の医療機関からHSAN患者の遺伝子検査を引き受け、患者の臨床情報と次世代シークエンシング(NGS)/全エクソーム(WES)解析データに基づき、HSANに関する新規の変異および遺伝子などを探究する。遺伝子組換え実験より、遺伝子導入された細胞を活用し、様々な機能解析を実施する。HSANの新しいメカニズムの解明や新しい治療法の開発を目指す。加えて、感覚性ニューロパチーの原因遺伝子は、痛みの重要経路であることが多く、痛みの領域においても新しいブレイクスルーが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
1)遺伝性感覚自律神経性ニューロパチー(HSAN)の遺伝子診断について、近年RFC1およびNOTCH2NLC内のリピート拡張を解析した報告があり、注目されている。2021年12月までに、日本人HSAN患者の79例の遺伝子解析を実施し、RFC1遺伝子のリピート拡張異常を20例検出することができた。一方、NOTCH2NLCのGGCリピート拡張は1例同定することができた。日本におけるHSANの遺伝的スペクトルと臨床特徴をまとめて、学術論文として発表した(Yuan et al, Frontiers in Neurology, 2022)。 2)HSAN type 1Eの原因であるDNMT1の遺伝子変異細胞モデルを作成し、その機能解析を行った。pcDNA3.1プラスミドを使用して変異を導入し、HEK293TとSH-SY5Y細胞にトランスフェクトした。HEK293T細胞からタンパク質の発現を確認し、精製を行い、Western blotやDNMT1タンパク質活性アッセイを行った。変異体のタンパク質の発現量と活性に異常が見出した。また、細胞免疫蛍光染色により、DNMT1変異体の異常な分布も証明された。現在、この研究に関する論文を執筆中である。 3)SCN9A遺伝子変異関連神経痛疾患について、臨床的に肢端紅痛症と診断された患者6人のうち、2例がSCN9A変異を有することを明らかにした。さらに、他の2例はParoxysmal extreme pain disorder (PEPD)の患者であり、合わせて4人の患者を集めた。このうち一つの変異は新規であったため、イェール大学Stephen Waxman教授との共同研究でSodium Channelの機能解析を実施した。現在、4例の患者について論文を作成中であり、次年度に学術論文として報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)リピート拡張異常を含む遺伝子検査を継続して実施できており、順調に進んでいる。 2)HSAN患者の国内疫学データや臨床的特徴を明らかにし、論文に掲載することができた。 3)遺伝性末梢神経疾患の変異体細胞モデル解析プラットフォームを構築し、DNMT1遺伝子変異の機能解析も順調に進展している。 4)神経障害性疼痛について、遺伝子解析が完了し、イエール大学との共同研究にて機能解析も順調に進んでいる。次年度に学術論文として投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)SCN9AとDNMT1の論文の完成に向けて作業を進めており、次年度に投稿予定である。 2)遺伝子変異細胞モデルプラットフォームを利用して、次年度は他の遺伝子の機能解析を進める予定である。 3)WES解析を進め、新規変異の病的意義を明らかにする予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)