Project/Area Number |
22K07518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
藪内 健一 大分大学, 医学部, 助教 (10763807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 悦朗 大分大学, 医学部, 教授 (70219468)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 抗Aβオリゴマー特異的抗体 / アルツハイマー型認知症 / 最小フラグメント化抗体 / 血液脳関門 / 行動薬理 / Aβオリゴマー抗体 / 細胞内Aβオリゴマー / 経鼻投与製剤 / 高分子マイクロダイアリシス |
Outline of Research at the Start |
今回我々は,独自開発したAβオリゴマー特異的抗体から,医療経済への負担軽減を目的に最小フラグメント化抗体を新たに創製した.この抗体は,アルツハイマー型認知症のモデルマウスにおいて有意な記憶障害予防作用を示し,かつ細胞内にも移行してAβオリゴマーと共局在した.これらの結果は,本抗体が従来の抗体と異なる新しい機序で効果を発揮している可能性を示唆する.本研究では,培養細胞および脳スライス培養を用いて,この新規抗体の神経細胞内での詳細な挙動の解明と,迅速な臨床応用への製剤の最適化を通して,安全でより確かな科学的根拠を有した標的分子医療の提供し,世界の人々の健康福祉の持続的な発展に貢献することを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、独自に開発したアミロイドβ(Aβ)オリゴマー特異的抗体を起点として、より安価で血液脳関門を通過し、有効性を備え持ったダウンサイズ化に取り組んできた。こうして得られた Aβオリゴマーに対する最小フラグメント化抗体は、アルツハイマー型認知症(AD)モデルマウスを用いた検討において、末梢からの投与でも容易に血液脳関門を通過し、行動実験でも認知機能低下を有為に改善するのみならず、これまでの抗体製剤と異なり神経細胞内に移行して効果を発揮する可能性が、申請者らのグループによるこれまでの検討で示唆されていた。本課題では、この最小フラグメント抗体の細胞内への取り込み機序の解明から開始し、この抗体の細胞内での挙動を明らかにすることで、より有効で安全かつ安価なADの根元療法の開発を目指している。2022年度は、主にSH-SY5Y細胞を用いた培養実験で、この最小フラグメント抗体が取り込まれる機序を検討した。その結果、この抗体は、ATP非依存的に細胞に取り込まれることがわかった。次に、最小フラグメント抗体の付加により細胞内の挙動を明らかにすることを企図していた急性スライス実験については、① 実験棟の工事に伴う実験スペース確保に制限があったこと ② 使用していたビブラトームが不調となり、一時的に実験遂行が不可能となったこと などの原因から結果を出せず遅れている。現在急ぎ実験系のセットアップから実験再開に向けて取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験棟を含めた建て替え工事が当大学で進んでおり、CO2インキュベーターを含む急性スライス培養実験のための実験室の確保が制限されたこと、ビブラトームの不調により修繕に時間がかかったこと、などのトラブルから、実験系のセッティングアップが遅れたため、2022年に予定していた最小フラグメント抗体の細胞内挙動の解明に向けた急性スライス実験が大幅に遅れている。現在スペースの確保に目処が立ち、実験系の再セットアップに取り掛かっており、速やかな実験再開を目指している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は急性スライス実験遂行再開を急ぐ。これと並行して、最小フラグメント化抗体の中枢移行をさらに改良するための製剤化の確立についての取り組みを, in vivo microdialysis を用いて予定通り実施する。現在添加する物質のリストアップを進めている。さらにその結果をもとに、ADモデルマウスに、この製剤化を改良した最小フラグメント化抗体を末梢(主に経鼻投与を想定している)より反復投与し、その薬効を行動薬理学的に検討する。
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