超高速超音波イメージングを用いた血流解析による頚動脈プラーク不安定性評価
Project/Area Number |
22K07522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
斎藤 こずえ 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (80398429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 都始子 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (00208802)
長谷川 英之 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (00344698)
長岡 亮 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (60781648)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 頚動脈プラーク / 超高速超音波イメージング / 動脈硬化 / 不安定プラーク / 脳梗塞 |
Outline of Research at the Start |
動脈硬化の進展により形成された頚動脈プラークが将来脳梗塞を発症しうる危険性、すなわちプラーク不安定性を評価することは脳梗塞発症予防に非常に重要である。我々は従来をはるかに上回る毎秒数千枚に及ぶプラーク断層画像を取得できる超高速超音波イメージングを用いて数秒の断層画像からプラークの組織弾性や血管壁にかかるずり応力などこれまで得られなかった機能的生体情報を得て、頚動脈の血管壁や血流の動態解析法を確立し、プラーク不安定評価を目的とする。これまでに確立した造影超音波や血流解析の知見を基に新技術と医工連携することで動脈硬化進展のメカニズムの解明や脳梗塞発症の抑制・健康寿命の延伸に寄与できると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
頚動脈において動脈硬化の進展により形成されたプラークが将来脳梗塞を発症しうる危険性、すなわち頚動脈プラークの不安定性を評価することは脳梗塞発症予防に非常に重要であり、我々は超高速超音波イメージングを用いて頚動脈の血管壁や血流の動態解析の手法を確立し、頚動脈プラークの不安定評価を行うことを目的し研究を開始した。 研究期間前半(令和4-5年度)は頚動脈超高速イメージングデータと臨床データの収集を中心に行う予定で、初年度(令和4年度)の研究を開始した。既に研究の一部は倫理委員会の承認を得て開始されていたが、造影超音波所見との比較など本研究で新たに解析する項目につき倫理委員会で計画変更を行った。 臨床において頚動脈プラークを有する患者に、既存の超音波診断装置で超音波データ収集を行う際に超高速超音波イメージングを用いて頸動脈断層像を取得した。なお、令和4-5年度得られた画像データをもとに共同研究先である富山大学で解析手法の改良がおこなわれ、成果報告がなされており医用工学の領域でも成果を得られている。 超高速超音波イメージングデータは共同研究先である富山大学で画像解析が開始され、データ集積が行われているが、集積したデータから超高速超音波イメージングを用いて(1)プラークの組織弾性の評価、(2)プラーク周辺の血流の可視化及び血管壁ずり応力の評価、(3)プラーク形態評価として潰瘍やプラーク内新生血管が評価可能であることを見出した。 現在、並行して患者の脳心血管イベントなどの臨床データを収集しており、症例の蓄積とともに今後両者の比較検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の倫理委員会での承認などは当初の計画通りに実行でき、データ収集計画も立案し実行予定であったが、令4年度はCOVID-19の流行が収束せず、機器の調整など共同研究先との調整のための移動が難しかったことや、臨床における患者を登録が困難で症例登録が遅れていた。 令和5年度からは症例登録がすすみ現在約30例超の症例を蓄積し、一部は造影超音波データとあわせたデータも取得することができた。(1)プラークの組織弾性の評価、(2)プラーク周囲の血流の可視化と共に形態評価として潰瘍やプラーク内新生血管が評価可能であることを見出した。(1)については2021年日本超音波医学会総会で報告し、(2)については2023年11月にオマーンで行われたWorld Federation for Ultrasound in Medicine and Biology2023で得られた成果を報告し、現在論文執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は研究期間後半に入る。後半も予定症例数を目指し登録し画像及び臨床データ収集を進める予定である。上述の通り症例登録が予定よりも遅れているが、現在登録数は増えており、集積されたデータから、先行して成果報告を開始している。 期間の後半として、症例数が蓄積されてきており“超高速イメージングによる頚動脈プラーク評価法の確立と不安定性のスコア化”のために各評価項目で解析をすすめて評価できたものから成果を報告する予定である。 超高速超音波イメージング取得例で後日ステント留置術など外科介入がなされた症例については病理像が取得できれば比較し病理学的な検証を行う予定であるが、外科介入例が当初予定より現時点で少ない。病理像との対比や治療成績との関連の解析を行いたいが、困難であった場合を想定し、内科治療で経過をみられた症例に対し、イベント発症などが起こっていないかなどのデータ収集と解析を追加するか検討する。 当初設定した各解析項目に対し、現在収集された登録症例に即したアウトカム再設定も考慮しつつ、研究後半で頚動脈プラーク不安定性評価法を確立するために必要な評価を行っていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)