Project/Area Number |
22K07537
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下竹 昭寛 京都大学, 医学研究科, 助教 (80726000)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 漢字 / 側頭葉 / 皮質脳波 / 機能結合 / 機能可塑性 |
Outline of Research at the Start |
日本語は形態素文字の漢字と音節文字の仮名が併存する特異な言語で、脳内での機能部位は脳損傷研究を中心に研究されるが、詳細な機能野の分布は明らかではない。漢字の処理の中心である側頭葉内にてんかん外科術前評価に硬膜下電極を留置した患者において漢字の読字書字に関連した課題下で事象関連電位測定と皮質電気刺激介入による精神物理的評価を行う。また電気的白質線維追跡を用い関連する領野間の脳機能結合地図を作成する。術前後の経時的神経心理検査と切除病変との対応から機能回復の変容・機能可塑性を解明する。漢字読字・書字機能システムマッピングから、側頭葉内の文字の処理(視覚・意味・音韻)に関わる機能解剖連関を解明する
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、漢字の読字・書字の機能に着目し、関連するとされる側頭葉内腹側部との対応の解明のため研究を推進した。術前評価に硬膜下電極を慢性留置した難治てんかん外科患者で研究に同意を得た者を対象とした。呼称課題の皮質脳波記録から、意味処理に関連した側頭葉・後方領域での情報処理の方向が生物・非生物で異なることを発表した(論文発表)。呼称課題脳波記録を用いた新たなデコーディング解析(Representational similarity learning)により側頭葉前方領域の意味処理機能の重要性を発表した(論文発表)。漢字読みに関連する類義語判断課題を用いた皮質脳波記録により側頭葉前方領域の意味処理機能の重要性を明らかにした(国内学会発表)。漢字処理に関連して意味判断課題を用いた皮質脳波解析により側頭葉前方領域内での意味処理の機構の一部を発表した(国内学会発表)。側頭葉内の記憶に関係する機能解剖についてFDG-PETによる解析にて明らかにした(国内学会発表)。SALA失語症検査をもとに作成した漢字・仮名の読み課題下の高頻度皮質電気刺激介入による言語優位半球側頭葉の底部の前後方向の機能勾配について発表した(論文投稿準備中)。関連する領野間の脳機能結合地図の作成のため、電気的白質線維追跡法(皮質皮質間誘発電位 CCEP)によるネットワークマッピングの症例を解析した。難治側頭葉てんかん患者11例において、側頭葉前方領域の切除前・後 1週間、1か月、6か月、1年と経時的な漢字読字・書字を含む神経心理課題を行い、正答率およびエラー内容の検討し、特に漢字の書字・読字は側頭葉前方領域の意味記憶に基づくことを明らかにし、論文準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の研究3項目A-Cを目的にかかげ研究を推進した。 A. 漢字の読字・書字の脳内領野の必須機能部位同定::硬膜下電極留置の患者において、SALA失語症検査をもとに作成した漢字・仮名の読み課題下の高頻度皮質電気刺激介入による言語優位半球側頭葉の底部の前後方向の機能勾配について論文準備中である。漢字読みに関連する類義語判断課題と意味判断課題を用いた皮質脳波記録により側頭葉前方領域の意味処理機能の重要性を明らかにし、国内学会にて発表した。呼称課題下の皮質脳波データのデコーディング解析により、側頭葉前方領域の意味処理における重要性を論文発表した。 B. 関連領野間の機能的結合地図作成:漢字の読字・書字に関連する皮質間の機能的結合の結合地図作成を推進し、症例を蓄積している。言語優位側の側頭葉後方領域の底部と外側部の生物・非生物に関係する機能的結合について論文発表した。 C. 漢字読字・書字関連機能の回復機構・脳機能可塑性の解明:漢字の読字・書字機能について、難治性側頭葉てんかん外科術後に経時的(1週間、1か月、6か月、1年)に評価を行い、回復の変容・脳機能可塑性について、研究を推進した。てんかん外科症例の前部側頭葉切除前後における漢字の書字・読字関連の脳機能含む意味記憶の機能代償機構について論文準備を進めている。 研究計画の上記3研究項目それぞれで、研究実績に具体的に示したように、研究計画にそって、症例蓄積およびデータ解析、学会発表を順次行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
電気生理学的手法を中心に神経機能画像、神経心理学的手法を組み合わせ日本人特有の漢字読字・書字の側頭葉内の処理機構の共通性・差異を、読み機能システムの探索から解明する。以下の研究3項目A-Cを目的にかかげ研究を引き続き推進する。 A. 漢字の読字・書字の脳内領野の必須機能部位同定:頭蓋内電極留置の側頭葉てんかん患者において、漢字の読字・書字、日本語文章読みの課題を新規作成・施行する。課題中の①皮質脳波律動を直接記録し、誘発反応を認める電極の探索から機能関連領野を同定、②高頻度皮質電気刺激による詳細な機能評価を行う。皮質電気刺激介入では課題遂行を精神物理的評価(正答率・反応時間・エラー内容)による定量的解析を行う。事象関連誘発電位は、加算波形解析、認知関連の高周波γ活動解析に加え、デコーディング手法を用いて脳活動と相関する漢字・仮名読み機能構成要素を推定する。電極留置中のビデオ記録からの日常の読字・書字動作時の脳波律動を用いる自然行動解析を進める。 B. 関連領野間の機能的結合地図作成:各種皮質活動が計測された皮質に低頻度皮質刺激(1Hz)を与え、皮質間伝播を介した誘発電位(CCEP)の隣接・遠隔皮質の分布から、側頭葉内の関連領野間、特に底面・外側との機能的結合を明らかにし、機能野結合地図を優れた空間解像度で同定する。 C. 漢字読字・書字関連機能の回復機構・脳機能可塑性の解明:側頭葉てんかん外科術前・術後において、神経心理課題、術後に経時的に定量評価し、機能回復の変容・脳機能可塑性までを明らかにする。術前・術後において、神経心理課題、解剖的MRIを行い、側頭葉の切除皮質の脳機能を推定する。術後経時的に評価を行い、機能回復の変容・脳機能可塑性を明らかにする。得られた電気生理学的・神経画像的結果は標準脳座標上へco-registrationして集約、データを統合し可視化する。
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