周皮細胞のアルツハイマー病モデルにおける分化転換の解析
Project/Area Number |
22K07541
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
久原 真 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80336403)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 周皮細胞 / 骨髄間葉系幹細胞 / 血管内皮細胞 / グリア細胞 / アルツハイマー型認知症 / 炎症性サイトカイン / 分化 / アルツハイマー病 / 分化転換 |
Outline of Research at the Start |
申請者らはADモデルマウスに骨髄間葉系幹細胞 (MSCs)を移植することで認知機能の改善や脳内アミロイドβ蓄積、炎症性サイトカインの減少を認めることを示してきた。MSCs由来のシグナルを毛細血管近傍の周皮細胞 (PCs)が受容し、グリア細胞やニューロンなどへの他の細胞形質へ分化転換しうるか検討する。自然免疫のシグナル伝達経路TLR4-MyD88を介した分化転換の報告があり、この分子メカニズムに着目して検討する。また、生体でPCsを同定可能なADモデル動物を作製し、MSCs投与によるPCsの脳内での数、分布、機能など定量的に検討してADの病態生理におけるPCsの役割を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで申請者らはADモデルマウスに骨髄間葉系幹細胞 (MSCs)を移植することで認知機能の改善や脳内アミロイドβ蓄積、炎症性サイトカインの減少を認めることを示してきた。MSCsは脳内に直達しておらずリモート作用があると考えられた。MSCs由来のシグナルを毛細血管近傍の周皮細胞 (PCs)が受容し、グリア細胞やニューロンなどへの他の細胞形質へ分化転換しうるか検討するため、培養系の構築を目指した。脳内毛細血管周囲に分布するPCsが何らかの刺激を受容し、stemnessを獲得して分化転換することはADモデルにおいて保護的に作用しているのではないかと仮説を立てた。 PCsに着目した根拠として、1)解剖学的に毛細血管腔に近く存在し物理的に液性因子などを受容しやすい、2)発生学上、外胚葉と中胚葉の両方の性質を有する、3)BBBの恒常性維持だけでなく病的状態で分化転換する可能性が指摘されている、が挙げられる。その際に自然免疫のシグナル伝達経路TLR4-MyD88を介した分化転換の報告があり、この分子メカニズムに着目して検討すること、また、生体でPCsを同定可能なADモデル動物を作製し、MSCs投与によるPCsの脳内での数、分布、機能など定量的に検討してADの病態生理におけるPCsの役割を解明することを目的とした。下記に示すように、やや進捗が遅れており、今年度のPCsを用いた研究における実績はないが、所属機関において関連した研究に関して共通した知見については学会発表を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は脳内毛細血管周囲に分布するPCsが何らかの刺激を受容し、stemnessを獲得し分化転換することでADモデルにおいて保護的に作用するという仮説を立て、それを証明することを目的とする。これまで脳虚血モデル、脳梗塞組織においてPCsが幹細胞マーカーを発現し(stemness)、神経細胞やグリア細胞マーカーも発現しうることは述べられているが、神経変性疾患あるいはそのモデルにおいてPCsが実際に分化転換を生じ、さらに病態に影響するかの検討は未だになされていない。 本研究は分化転換する際のPCsの細胞内シグナル分子についても明らかにすることも目的であり、自然免疫作動に関与するTLR4ないしMyD88、NF-κBを介し主にグリア細胞系譜への分化転換の有無を検討する。最終的にADなどの神経変性疾患のPCsの機能制御を介した治療戦略を構築することを目的としている。 現在TR-RCT1細胞の培養状況がやや特殊な条件が必要なため、至適条件を検討するとともに、この細胞以外で周皮細胞培養の培養系を確率することも検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続いて、培養法を確立した後、SDラット骨髄由来のMSC上清(MSC-CM)を添加する。現在上述したように他の細胞で周皮細胞の性質が再現可能かどうかも含めて検討中である。Stemness、未分化細胞形質再獲得の証明としてSox2、c-myc、klf4などで確認し、neural crestのマーカーSlug、Sox9などで確認する。MSC-CMを分子量によるultrafiltration filterに通した状態や加熱処理した状態で添加した場合の変化も観察する。 分化転換の可能性が示唆されれば、自然免疫反応に関与するTLR4の発現、ならびにCo-receptorであるCD14の発現がPCsに見られるかRT-PCR,細胞染色、Western blotによって検討し、MSC-CMの添加によってこれらの発現が変化するかどうか確認する。さらに細胞内シグナル分子としてMyD88, MAP3K, NF-κBの発現も確認する。TLR4、MyD88、MAP3K、JNK、p38、NF-κBなどの阻害剤を用いてシグナル経路を明らかにする。 さらに、1)glucose-free DMED + 2%FBS培地に1% O2にて7日間の低酸素状態・低糖状態培養、2)過酸化水素水100~1000 μMを添加し6時間の酸化ストレス負荷培養、3)LPS (10 μg/ml)を添加し6時間の内毒素刺激による自然免疫賦活刺激、4)申請者らの既報告のプロトコールに従ったoligomeric Aβ1-42を合成し1 μM程度培地に添加するAβ刺激、を行い、これら自体でPCsの形態変化、さら分化転換のきっかけになっているかどうかを検討する。またストレス負荷においてMSC-CM添加による分化転換の効率変化を上記のシグナル分子発現変化を含めて検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)
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[Presentation] 松島 理明, 佐久嶋 研, 金谷 泰宏, 西本 尚樹, 澤田 潤, 松岡 健, 久原 真, 上杉 春雄, 南 尚哉, 佐光 一也, 武井 麻子, 玉腰 暁子, 佐藤 典宏, 佐々木 秀直2022
Author(s)
松島 理明, 佐久嶋 研, 金谷 泰宏, 西本 尚樹, 澤田 潤, 松岡 健, 久原 真, 上杉 春雄, 南 尚哉, 佐光 一也, 武井 麻子, 玉腰 暁子, 佐藤 典宏, 佐々木 秀直
Organizer
第63回日本神経学会学術集会
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