Project/Area Number |
22K07582
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
今村 明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40325642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉浦 孝一郎 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (00304931)
岩永 竜一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40305389)
小澤 寛樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (50260766)
森本 芳郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (70816686)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 統合失調症 / 自閉スペクトラム症 / 遺伝的オーバーラップ / 神経発達症 / 家系研究 / EP400 / エピジェネティクス |
Outline of Research at the Start |
この研究課題は、EP400遺伝子と統合失調症/自閉スペクトラム症の関連について、ヒト及び動物レベルで解析を行うことにより、両疾患に共通する病態生理を同定することを目指す。 具体的には(1)EP400遺伝子稀少変異保有患者の臨床症状評価(統合失調症関連、自閉スペクトラム症関連)、(2)Ep400:p.P2715L変異の病原メカニズムの解明(エピゲノム/トランスクリプトーム解析)を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
EP400は、ATP依存性クロマチンリモデリング活性を持ち、ヒストンH2Aのアセチル化やヒストンH4のアセチル化などに関与するものと考えられている。我々の研究グループは統合失調症多発大家系の遺伝子解析を行い、EP400遺伝子の稀少変異が統合失調症のリスクとなることを世界に先駆け国際誌に報告した(Morimoto et al., 2021)。一方で、EP400遺伝子は自閉スペクトラム症の候補遺伝子とする報告もみられている(Chahrour et al., 2012、Iossifov et al., 2012)。本研究ではEP400遺伝子稀少変異の病因メカニズムを明らかにし、統合失調症と自閉スペクトラム症に共通する病態の解明を目指している。 本年度の実績として、EP400遺伝子希少変異を保有した患者に対して、統合失調症に関連した症状評価と自閉スペクトラム症に特化した詳細な臨床評価を行った。検査項目としては以下の通りである:①統合失調症関連:PANSS、統合失調症患者の臨床経過(発症前の状態、発症時期、症状経過、内服状況、治療効果、薬剤反応性、併存疾患、遺伝的素因の有無等)、②自閉スペクトラム症関連:DISCO、ADI-R、PARS-TR。以上の検査をもとにして統合失調症多発大家系に所属し、EP400遺伝子のミスセンス変異を持つ7名の罹患者と、同家系に所属して、遺伝子検査が未実施であるが自閉スペクトラム症の特徴が疑われる3名の罹患者の臨床評価を行った。EP400遺伝子稀少変異保有患者の診断を、これまでのICD-10分類、DSM-5分類の再評価を行い、ICD-11、DSM-5-TRを用いた分類を詳細な臨床データから行った。 結果としてICD-11では、統合失調症として6A20.20 5名、6A20.21 1名、6A20.11 1名であった。また、未診断ではあったが、この内の2名は、ICD-116A02.1 Autism spectrum disorder with disorder of intellectual development and with mild or no impairment of functional languageが併存診断として考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の職場環境の変化により、対応する外来患者数が著しく減少した。また患者家族会などに対しても関与する機会が著しく減少している。 このようなこともあり予想よりもサンプルの収集が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、EP400遺伝子稀少変異保有患者の臨床症状評価を、統合失調症の側からと自閉スペクトラム症の側から同時に進めていく。そのために積極的にサンプル収集を行う。また分子遺伝学的解析を進めていく。
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