アイトラッカーを用いた成人期発達障害の共同注意に関する研究
Project/Area Number |
22K07602
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
岩波 明 昭和大学, 医学部, 教授 (80276518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高塩 理 昭和大学, 医学部, 准教授 (00384256)
岡島 由佳 昭和大学, 医学部, 准教授 (50317525)
林 若穂 昭和大学, 医学部, 助教 (60898229)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ASD / ADHD / アイトラッカー / 視線計測 / 共同注意 / 成人 / 発達障害 |
Outline of Research at the Start |
成人期の発達障害は医療的にも社会的にも重要な疾患であるが、診断の指標については十分に研究が進んでいない。本研究は成人期の主要な発達障害であるADHD(注意欠如多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)について、診断のための生物学的指標を求めることを目的としている。ADHDとASDは生活上の問題行動は共通している面が多く、また実地臨床において症状面での区別が難しい。本研究はアイトラッカーによる視線計測を用いて、成人期のADHDとASDを対象に、小児のASDで障害がみられる共同注意(joint attention)の評価を行い、ADHDとASDを鑑別する臨床的指標を求める。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象は、昭和大学附属烏山病院に外来通院中の50歳以下のADHDおよびASDの当事者であり、年齢、性別をマッチさせた健常者を対照群とする。診断は、DSM-5の診断基準を用いて行い、CAADID日本語版、ADOS-2日本語版を用いて診断を確定する。ADOS-2の使用は、研究用ライセンスを保持している研究分担者が遂行する。知的機能はWAIS-IIIにより評価し、FIQが85以下のケースは対象から除外した。対象者の臨床症状の評価スケールとして、AQ(自閉症スペクトラム数)、CARRS(コナーズ成人ADHD評価尺度)、SDS(うつ病自己評価尺度)、STAI(状態特性不安検査)を使用した。 現在まで研究用の動画課題を作成し、健常者20例および、少数の患者群に対して視線計測を行った。視線計測はトビー社のT120 Eye Tracker 及び、17インチTFTモニターを用いて記録した。トビー・ストゥディオのソフトウエアのコントロール下で刺激動画を表示し、刺激動画の表示中に被験者の視線計測を行う。動画の内容としては、画面の中央にいる女性の左右下方に、2つのぬいぐるみが置かれている。正面を見ていた女性が、左右のぬいぐるみを見る動作を2回ずつ繰り返す。被験者にはディスプレイを目視することを求め、この際の被験者の視線をアイトラッカーを用いて計測した。測定内容としては、女性の顔と、左右のぬいぐるみをそれぞれ囲む円形の同様サイズのAOIs(3つ)をセットする。女性が正面を注視している際と、それぞれにぬいぐるみを注視している際の、被験者のそれぞれにAOIに対する注視時間を測定する。動画刺激においては、当初人物は正面を注視しているが、その後右(向かって左)のぬいぐるみを注視、さらに左(向かって右)のぬいぐるみを注視する。この画面上の人物の動作に応じた被験者の視線の計測を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アイトラッカーによって共同注視を測定可能な動画課題を作成した。さらにこの課題を用いて、健常者および少数の患者群の視線計測を実際に施行した。得られた結果はおおむね先行研究と矛盾しない内容であり、このまま研究を進めて問題がないものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後については、各群50例に達するまで、被験者のリクルートと視線計測を行う。これらの結果を解析し、両郡の共同注意の特徴を検討する。研究が予定どおり進まなかった場合、これまでわれわれが検討してきた「心の理論」の課題、選択的注意の課題などを同時に遂行し、他の機能との関連を検討することを予定している。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)